提督 (清朝)

清朝の武官「提督」について

提督（ていとく、満洲語：ᠸᡞᡩᡝ᠋ᠮᡝᠬᠠᡩ᠋ᠠᠯᠠᠷᠠᠠᠮᠪᠠᠨ、転写：fideme kadalara amban）は、清朝時代に設けられた重要な武官の官職です。官位は従一品であり、位階の上では巡撫（ᡤᡳᠶᠠᡵᡳᠮᡝᡩᠠᠰᠠᡵᠠᠠᠮᠪᠠᠨ、giyarime dasara amban）よりも上位に位置づけられていました。また、総督（ᡠᡥᡝᡵᡳᡴᠠᡩ᠋ᠠᠯᠠᡵᠠᠠᠮᠪᠠᠨ、uheri kadalara amban）や尚書（ᠠᠯᡳᡥᠠᠠᠮᠪᠠᠨ、aliha amban）と同格という、非常に高い地位にあったことが分かります。

陸路提督とその役割

提督は、各省に配置された緑営（ᠨᡳᠣᠸᠠᠩᡤᡳᠶᠠᠨᡨᡠ᠋ᡵᡠᠨ ᠊ᡳᡴᡡᠸᠠᡵᠠᠨ、niowanggiyan turun i kūwaran）という軍事組織の最高責任者でした。清朝には12名の陸路提督が存在し、それぞれが一つまたは二つの省を管轄下に置いていました。そのため、その管轄範囲は数万平方キロメートルから数十万平方キロメートルにも及ぶ広大なものでした。陸路提督は、所属する地域における軍事力の維持、治安維持を担う重要な役割を果たしていました。

水師提督とその役割

陸路提督とは別に、清朝には3名の水師提督が設置されていました。彼らは海軍を統括する役割を担い、具体的には以下の3つの水師提督が存在しました。

福建水師提督：福建省の沿岸部を管轄する水軍を統括しました。
広東水師提督：広東省の沿岸部を管轄する水軍を統括しました。
長江水師提督：長江流域を管轄する水軍を統括しました。

これらの水師提督は、沿岸防衛や河川の安全確保において重要な役割を果たしました。清朝の海軍力は、これらの水師提督の指揮下で維持されていたと言えるでしょう。

提督の重要性

提督は、清朝の軍事組織において非常に重要な地位を占めていました。陸路提督は広大な領土の治安維持を担い、水師提督は沿岸防衛や水上交通の安全を確保する役割を果たしました。彼らの存在は、清朝の軍事力、ひいては国家の安定に大きく貢献していたと考えられます。

関連項目

水軍
* 水師営

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