提籃

提籃（ていらん）

提籃は、煎[[茶]]道で用いられる茶道具の一つであり、煎[[茶]]に必要な道具一式を収納するための籠です。箱型のものは提げ重箱と呼ばれます。本来は野外でお茶を楽しむ際に使用する道具であり、室内で使用されることは少ないとされています。

歴史

提籃は、煎[[茶]]が中国から日本に伝来した際に、一緒に持ち込まれた道具の一つです。文人趣味と深く結びついた道具であり、風光明媚な場所で自由に茶を喫し、漢詩を詠んだり絵を描いたりする文人たちの趣向を反映しています。屋外へ茶道具一式を持ち運ぶ必要性から、提籃が誕生しました。

日本の文人たちは、中国の文人に倣うことを目標としており、煎[[茶]]道具の中でも特に文人趣味の象徴である提籃を好んで用いました。しかし、現代においては、中国製の提籃には粗悪品が多く、一方、国産品は煎[[茶]]道愛好家の需要を満たすレベルに達していないため、入手が非常に困難な道具となっています。

形状

提籃は、竹や藤を編んで作られた籠で、長方形のものが一般的ですが、円形のものも存在します。重箱のように2段や3段になっているものもあります。古くから伝わるものの中には、籠の持ち手に中国風の精巧な彫刻が施され、異国情緒を感じさせるものも多く見られます。

関連項目

茶櫃
器局
茶箱

参考文献

『煎[[茶]]の世界　しつらいと文化』（雄山閣、ISBN 4-639-01424-4）
* 『煎[[茶]]の心得』（世界文化社　ISBN 4-418-06304-8）

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