揚輝荘

揚輝荘について

揚輝荘（ようきそう）は、愛知県名古屋市千種区法王町に位置する歴史的な施設であり、名古屋市から指定された有形文化財です。大正から昭和初期にかけて、松坂屋の初代社長である伊藤祐民の別荘として建設されたこの地は、閑静な住宅街に囲まれ、独特の美しさを保っています。

歴史の背景

揚輝荘の名は、中国の詩人陶淵明による詩の一節から取られており、春や秋の水や月の美しさを詠んだ内容に由来します。1918年には、名古屋市中区から三賞亭が移築され、その後も多くの重要な建物が次々に加えられました。特に1935年から1937年にかけて建てられた聴松閣は、そのデザインや大きさから特に注目されています。この建物は、竹中工務店の創立者が携わったもので、後にインド文化の影響を受けたデザインが採用されています。

特徴的な建物

揚輝荘の敷地内には、聴松閣をはじめ、揚輝荘座敷、伴華楼、三賞亭、白雲橋という五棟の建物があります。

聴松閣

聴松閣は、木造を基盤としつつ一部は鉄筋コンクリートで構成されています。地上三階、地下一階から成るこの施設は、もともと迎賓館としての機能を持ち、展示室やカフェも兼ねています。その特徴的なハーフティンバー様式は揚輝荘のシンボルとなっています。

揚輝荘座敷

座敷は、明治時代に一軒の家として建てられ、別荘に移築されたものです。歴史的な背景を持つこの施設は、伊藤家の居住空間としての役割を果たしました。

美しい庭園

揚輝荘の魅力は、建物だけでなく、その庭園にあります。北園は、池泉回遊式庭園として設計されており、京都の修学院離宮をモデルにして作られました。また、南庭園は枯山水形式を取り入れており、静けさの中にも奥深い趣があります。

現在の利用と展示

2003年からは特定非営利活動法人が運営を開始し、2007年には名古屋市に寄付されたことで、一般公開が進められています。入場料金は南園に300円、北園は無料ですが、ガイドツアーの参加については事前申し込みが必要です。

アクセス

揚輝荘は、名古屋市営地下鉄東山線の覚王山駅から徒歩約10分の距離にあり、アクセスも良好です。周囲の静かな住宅街を散策しながら訪れることができ、歴史的な雰囲気を楽しむことができます。

終わりに

揚輝荘は、名古屋の文化と歴史を感じることができる貴重な場所です。訪れることで、過去の贅沢さや美しさに触れ、現代に生きる私たちに多くの感動をもたらしています。ぜひ、名古屋を訪れた際には足を運んでみてはいかがでしょうか。

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