握手でグッバイ

握手でグッバイ

『握手でグッバイ』は、俳優としても活動していた北川剛が1983年にリリースした、彼にとって唯一となるスタジオ・アルバムです。1983年12月1日に、RVCよりLP盤（規格品番：RHL-8354）として発売されました。

解説

俳優としてキャリアをスタートさせた北川剛が、音楽活動の中で制作し、世に残したただ一つの公式スタジオ作品です。

アルバムのリリースに先行して、1983年9月5日にはシングル「握手でグッバイ／センチメンタル・ハーバー」（規格品番：RHS-116）が発表されており、これらの楽曲は本アルバムにも収められています。

本作は長らくオリジナルLP盤のみの流通でしたが、発表から約30年を経た2012年に初めてCD化が実現しました。これは、ソニーグループのオンラインストア「Sony Music Shop」が提供する「オーダーメイドファクトリー」企画によって商品化が決定したことによるものです。2012年12月7日、ソニー・ミュージックダイレクトから『握手でグッバイ+4』という新たなタイトルでリリースされ、CD盤の規格品番はDYCL-348が与えられました。

CD化にあたっては、オリジナルLP盤に収録されていた10曲に加え、アルバム未収録であった後に発表された2枚のシングルの楽曲、計4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。追加されたのは、1984年1月21日発売のシングル「夢うつつ／ポータブルラジオが歌ってた」（規格品番：RHS-134）より2曲、そして1984年5月21日発売のシングル「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO／サマーナイト・コール」（規格品番：RHS-151）より2曲です。このボーナス・トラックの追加により、『握手でグッバイ+4』には北川剛が公式に発表した全ての音源が網羅されることになりました。

楽曲の制作には、松任谷由実、牛次郎、宇崎竜童、下田逸郎、木森敏之、松本隆、筒美京平、Dean Pitchford, Jim Steinman, 売野雅勇といった、当時の日本の音楽シーンを代表する数多くの著名な作詞家、作曲家が参加しています。編曲は主に川村栄二が手掛けていますが、ボーナス・トラックの一部は飛澤宏元が担当しています。

収録曲

オリジナルLP盤では、M-1からM-5がA面、M-6からM-10がB面に収録されました。M-11以降はCD化の際にボーナス・トラックとして追加された楽曲です。

特記なき限り、全曲の編曲は川村栄二です。

1. 席はあるかい（3分06秒） 作詞:松任谷由実 作曲:梅垣達志
2. 口笛っぽく…ネ（4分34秒） 作詞: 牛次郎 作曲: 宇崎竜童
3. ロンリー・ゲーム（4分16秒） 作詞: 下田逸郎 作曲: 木森敏之
4. 涙の奥でさわやかに（3分00秒） 作詞: 牛次郎 作曲: 宇崎竜童
5. 握手でグッバイ（4分11秒） 作詞: 松本隆 作曲: 宇崎竜童
6. 危険なリンゴ（3分34秒） 作詞: 松本隆 作曲: 筒美京平
7. 背中で閉じたドア（3分23秒） 作詞: 松本隆 作曲: 宇崎竜童
8. 風が吹く（Take A Chance）（3分43秒） 作詞: 下田逸郎 作曲: 木森敏之
9. センチメンタル・ハーバー（3分55秒） 作詞: 下田逸郎 作曲: 木森敏之
10. サンセット・ビーチ（3分47秒） 作詞・作曲: 宇崎竜童

ボーナス・トラック（『握手でグッバイ+4』のみ収録）

11. 夢うつつ（3分37秒） 作詞: 松本隆 作曲: 宇崎竜童 編曲: 飛澤宏元
12. ポータブルラジオが歌ってた（3分10秒） 作詞: 松本隆 作曲: 宇崎竜童
13. ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO（4分31秒） 作詞: Dean Pitchford 日本語詞:売野雅勇 作曲: Jim Steinman 編曲: 飛澤宏元
14. サマーナイト・コール（3分41秒） 作詞: 売野雅勇 作曲: 宇崎竜童二

関連情報

* 本作に収録された「危険なリンゴ」は、THE ALFEE|THE_ALFEEが1974年にリリースしたシングル「夏しぐれ」のB面曲と同タイトルですが、楽曲の内容は異なります。

このアルバムは、俳優・北川剛が音楽活動において残した貴重な記録であり、特にCD化によってその全貌が明らかになった意義は大きいと言えます。

もう一度検索