携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律

携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律

この法律は、日本国内での携帯電話やPHSの音声通信サービスに関連するものであり、契約者の本人確認を義務付け、また不正な利用や譲渡を防ぐための規定が設けられています。この法令は、平成17年（2005年）4月15日に公布され、法令番号は第31号です。共同で管理しているのは、総務省総合通信基盤局電気通信技術システム課と警察庁刑事局組織犯罪対策企画課です。

法律の概要

この法律は、2005年（平成17年）5月に部分的に施行され、その後2006年（平成18年）4月に完全施行されました。一般的には「携帯電話不正利用防止法」または「携帯電話本人確認法」として知られています。この法律により、以下のような項目が定められています：

1. 本人確認の義務付け：契約者や譲渡を行う際、携帯電話事業者は契約者の本人確認を施すことが必要です。
2. 不正譲渡の禁止：事業者の承認なしに他人に端末を譲渡することや貸与することを禁止しています。ただし、親族や生活を共にする者への譲渡は除外されます。
3. 匿名貸与の禁止：端末の匿名性を利用した貸与や譲渡を禁止しています。
4. 契約者の回線停止：本人確認を行わない回線は、事業者が利用を停止する権限を持ちます。
5. 虚偽契約の禁止：不正な契約を結ぶことに対する罰則が設けられています。

規制対象

この法律の適用を受けるのは、主に音声通話が可能な端末です。具体的には、携帯電話やPHS、及びこれらに接続することができるSIMカードを含みます。一方で、データ通信専用の端末やそのためのSIMカードは対象外です。これにより音声通話機能のないデバイス、例えばモバイルWi-Fiルーターやタブレット端末はこの法律の適用を受けません。

法の施行と影響

2006年の完全施行以降、携帯電話やPHSの契約において本法律が遵守されることが求められています。例えば、販売時の本人確認が適切に行われることにより、不正利用のリスクを低減することが期待されています。

その他の情報

2007年5月、日本通信が提供する「bモバイル」に対して警察庁から本人確認の徹底が求められましたが、このサービスはデータ通信専用であったため法律の適用外でした。それでも同社は要請に応じて、既存の携帯電話を使用した本人確認を導入しました。

関連する項目

この法律は、特殊詐欺やプリペイド式携帯電話、闇金融、性犯罪による収益の移転防止に関する法律などに関連する事案の対策の一環としても位置付けられています。また、総務省やe-Govの法令検索システム等で、この法律の詳細や施行規則を確認することができます。

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