摩耶埠頭

摩耶埠頭：神戸港を支えた歴史と変遷

神戸港に位置する摩耶埠頭は、兵庫県神戸市灘区に所在する地名であり、同時に神戸港を構成する重要な埠頭でした。かつては4つの突堤が存在し、活気ある港湾施設として機能していましたが、現在では突堤間の埋め立てが進み、その姿は大きく変化しています。

摩耶埠頭の地理と交通

摩耶埠頭は灘浜町から南へ伸びる形で位置し、東側には灘浜大橋が、西側には摩耶大橋と第二摩耶大橋が架かり、それぞれ灘浜東町、そして中央区小野浜町（新港東埠頭）とを結んでいます。郵便番号は657-0854です。

歴史：昭和から平成への変遷

摩耶埠頭の建設は昭和34年（1959年）9月20日に起工式が行われたことを皮切りに始まりました。その後、昭和39年（1964年）2月10日に第1突堤が供用開始され、徐々に規模を拡大していきます。昭和40年（1965年）9月28日には第2突堤、昭和41年（1966年）12月27日には第3突堤がそれぞれ供用開始されました。

昭和41年には、日出町（現在の摩耶海岸通）と灘浜町の沖合約74万平方メートルを埋め立てる大規模な造成事業が行われ、この埋め立て地が摩耶埠頭と命名されました。同時期に、摩耶大橋（昭和41年5月15日竣工、6月2日開通式）が建設され、陸路からのアクセスが向上しました。昭和42年（1967年）3月には、摩耶埠頭の建設工事が完了しました。

交通の便をさらに向上させるため、昭和47年（1972年）4月20日には国鉄摩耶埠頭駅（貨物駅）が開業しました。しかし、時代の変化に伴い、昭和61年（1986年）11月1日には同駅は廃止されています。

平成に入ると、埠頭の再編整備が進められました。平成3年（1991年）1月16日には第3突堤と第4突堤間の埋め立て工事が完了し、平成9年（1997年）4月7日には第1突堤から第3突堤間の埋め立て工事が完了しました。平成4年（1992年）には灘浜大橋が竣工し、周辺地域との接続が強化されました。

人口

令和2年（2020年）の国勢調査によると、摩耶埠頭に定住者は確認されていません。平成17年（2005年）の国勢調査では、世帯数3、人口3（男性3人、女性0人）と記録されています。これは、主に埠頭関係者など一時的な滞在者によるものと考えられます。

摩耶埠頭の現在

摩耶埠頭は、かつては神戸港の重要な拠点として機能していましたが、時代の変遷とともにその役割は変化し、現在は埋め立て地として周辺地域の開発に貢献しています。かつての活気ある姿を知る人は少なくなりましたが、その歴史は神戸港の発展と深く関わっており、重要な産業遺産として記憶にとどめておくべきでしょう。現在では、埋め立てられた土地は、様々な用途に利用されていると考えられます。

参考文献

神戸史学会 編『神戸の町名 改訂版』神戸新聞総合出版センター、2007年
灘区役所広報相談課 編『灘区の町名』灘区役所広報相談課、1976年

もう一度検索