撮像管

撮像管の概要

撮像管は、撮影対象の画像を電気信号に変換するための精密な電子管です。この装置は、テレビなどの映像技術における重要な役割を果たしてきました。撮像管は、固体撮像素子の登場以前にはビデオカメラの心臓部とされており、現在では高感度暗視カメラなどの特殊な用途に限定されるようになっています。

撮像管の構造

撮像管の基本的な構造は、真空状態にある筒状のガラス管に封入されており、先端には撮像面があります。光学系によって映し出された被写体の光学像は、この撮像面に投影されます。撮像管内では、光が照射されると、内部の光導電膜が光の強弱に応じた抵抗変化を引き起こし、この抵抗変化をもとに電気信号が生成されます。この基本的な動作原理によって、光が電子ビームとして走査され、外部へ信号が出力されるのです。

歴史的背景と進化

最初の撮像管は、1927年にフィロ・ファーンズワースによって発明されたイメージディセクタです。しかし、初期のものは実用的ではありませんでした。1933年にはウラジミール・ツヴォルキンがアイコノスコープを発明し、これは感度が高く、より実用性があるものでした。アイコノスコープは、1936年から1946年まで、アメリカの早期放送において広く使用されました。

その後、イメージオルシコンやビジコン、プランビコン、サチコンなど、さまざまな種類の撮像管が開発され、各種の特性を持って映像技術に貢献しました。特に、サチコンは、価格も安価で高性能なため市場で非常に人気がありました。これらの撮像管は、特有の「コメットテール」と呼ばれる残像現象を持つことでも知られています。

撮像管の種類

• - イメージディセクタ: 1927年に誕生した最初の撮像管で、感度が低く実用化には至りませんでした。
• - アイコノスコープ: 感度が高く、設備的インフラを持つテレビ放送において初期の主力撮像管でした。
• - ビジコン: 1950年代に開発された蓄積型の撮像管で、高感度ながらも後の技術に取って代わられることとなりました。
• - プランビコン: 解像度が高く、1960年代まで使用されましたが、映像描写が不自然だったという欠点も抱えていました。
• - サチコン: 特に放送用に広く使用された撮像管で、安価さと高性能が特徴です。
• - トリニコン: ソニーが開発したもので、RGBフィルターを使用し、色を分けて走査하기 する方式が特徴的でした。

撮像管の現状と利用

固体撮像素子の進化に伴い、撮像管はほとんどの用途から退場しましたが、今でも特定の分野で利用されています。特に夜間の暗視用途で使用される高感度撮像管が残っています。また、医療用としてプランビコンは現役で使用される場面も見られます。

このように、撮像管はその技術進化の過程で、さまざまな改良が加えられてきましたが、時代と共に見直されることも多い装置なのです。今回の説明を通じて、撮像管の重要性とその歴史を理解していただけたら幸いです。

もう一度検索