支度部屋

支度部屋（したくべや）

支度部屋は、大[[相撲]]において力士が取組の準備を行うための控え室です。この空間は東西にそれぞれ1室ずつ設置されており、その日の取組に応じてどちらかの部屋が使用されます。支度部屋は、力士や床山（とこやま）、許可を持つ記者や関係者のみに開放されていて、一般の女性が入室することはできません。これは、支度部屋が男性の更衣室として機能しているためです。

力士が支度部屋に入ると、床山が髷を結ぶ作業を行い、土俵入りや取組の準備を進めます。この部屋は、横綱から新弟子まで比較的自由に使用することが認められていますが、特に奥の位置は横綱のための特別な場所とされています。関取（かんどり）は自身の持ち物である明荷（あかに）の持ち込みが許されていますが、取的（とりき）力士にはその特権がなく、取的力士は風呂敷に包んだ荷物を他の力士の妨げにならない場所に置く必要があります。

支度部屋には、取組後の力士が砂や土を洗い流すための風呂やシャワーが完備されています。通常、東西それぞれの支度部屋には浴室が設けられていますが、名古屋場所が開催される愛知県体育館の場合、これらの浴室が隣接しています。さらに、特別に設計された力士用の便器を備えたトイレも設置されています。これらの設備は、力士の活動を支えるための重要な役割を果たしています。

千秋楽の表彰式前には、優勝した力士が東の支度部屋の最奥で座って表彰を待ちます。もし西方力士が優勝した場合でも、表彰式のために東に移動する必要があります。これは、伝統的な儀礼や順序を重んじる大[[相撲]]の文化を反映しています。このように、支度部屋は大[[相撲]]の儀式や慣習が息づく重要な空間であり、力士たちが心を整え、取り組みに臨むための場として機能しています。

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