支那学 (雑誌)

『支那学』（しながく）

概要

『支那学』は1920年9月に創刊され、1947年8月まで続いた日本の学術雑誌です。元々の誌名は『支那學』であり、主に中国学に焦点を当てた内容が特徴でした。20世紀初頭、京都帝国大学の文科では、狩野直喜、桑原隲蔵、内藤虎次郎の三教授が中心となり、当時の中国学研究は盛んに行われ、「京都支那学」として知られる活動に発展していきました。

京都帝大では設立当初から「支那学科」の設置が検討されていましたが、実現には至りませんでした。このため、狩野と内藤は、支那学研究を行っていた哲学科、史学科、文学科の学生や研究者を集め、「支那学会」を結成しました。この学会に参加していた若手学者たちは、自己の研究成果を広めるために雑誌を創刊することを決定し、1920年9月、弘文堂書房から『支那学』を刊行したのです。創刊に関与した本田成之をはじめ、小島祐馬や青木正児らもそのメンバーとして名を連ねています。

創刊号では、青木正児が記した「発刊の辞」において、当時の支那学への無関心を嘆き、支那学を紙上で確立する必要性を強調しました。初期には、本田や狩野、内藤に加え、神田喜一郎、鈴木虎雄、武内義雄など、京都支那学の著名な研究者が度々投稿を行い、特に内藤は文献の批評を行った論考「尚書編次考」を発表しています。

『支那学』が創刊された背景には、伝統的な漢学に対する挑戦や、当時台頭していた西洋のシノロジーに対する強い対抗意識がありました。このような視点から、誌名に「支那学」を選んだことも意図的だったと言えるでしょう。『支那学』は、その後支那学会の機関誌としての役割を果たし、1947年8月には第12巻第5号をもって終刊となりました。

書誌

『支那学』は創刊当初、京都にある彙文堂から発行されていましたが、後に弘文堂書房に発行元が移り、この関係は終刊まで続きました。また、特別号として第10巻では「小島本田二博士還暦記念」が1942年に発行されました。さらに、1969年には弘文堂から復刻版の刊行も行われました。

同名の雑誌

実は、1894年から1895年にも同名の雑誌『支那学』が京都の「漢文書院」から発行されており、16号まで刊行されていました。これは、後の『支那学』とは異なるものですが、中国学への関心は歴史を通じて続いていることを示しています。

関連項目

• - 中国学
• - 京都学派#東洋史学

『支那学』は日本における中国学研究の発達に寄与した重要な雑誌として位置づけられ、その成果は今でも学術界で評価されています。

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