放射線影響協会

公益財団法人放射線影響協会（放影協）について

公益財団法人放射線影響協会（Radiation Effects Association; REA、略称：放影協）は、元文部科学省が所管していた公益財団法人です。この法人は、原子力の利用を促進するために、特に低線量放射線が生物や環境に与える影響に関する調査研究の実施、助成、奨励を行っています。また、放射線影響に関する知識を広く普及させ、放射線利用分野における科学技術の振興と国民の健康増進に寄与することを目的としています。

協会の主な活動

放影協は、以下の活動を通じて、放射線利用の安全確保と科学的発展に貢献しています。

調査研究: 低線量放射線の生物・環境影響に関する調査研究を自ら実施、または他の研究機関への助成を通じて推進しています。
知識普及: 放射線影響に関する正しい知識を一般の方々や専門家に向けて普及させるための活動を行っています。
放射線業務従事者管理: 原子力発電所などで働く放射線業務従事者の被曝線量の一元的な登録管理と記録の保管を行っています。これは、放射線被曝による健康影響を長期的に追跡するための重要な取り組みです。
疫学調査: 登録管理された放射線業務従事者を対象に、放射線被曝と健康影響との関係を調べるための疫学調査を実施しています。
国際協力: 国際放射線防護委員会（ICRP）などの国際機関との連携を強化し、放射線防護に関する国際的な動向を把握し、国内の活動に反映させるための活動を行っています。

沿革

放影協は、1960年に設立されました。以下に主な沿革を示します。

1960年5月: 実業家や学者など89名の発起人により設立趣意書が作成されました。
1960年9月: 寄附行為が認可され、放射線医学総合研究所（現在の量子科学技術研究開発機構）の所在地に設立されました。
1977年11月: 放射線業務従事者の被曝線量の一元管理と記録保管を行う「放射線従事者中央登録センター」が設置されました。
1978年1月: 科学技術庁（当時）より、研究炉の放射線管理記録の引渡機関に指定されました。
1978年12月: 通商産業大臣（当時）より、実用炉の放射線管理記録の引渡機関に指定されました。
1984年10月: 科学技術庁長官（当時）より、放射線業務従事者の被曝線量と健康診断記録の引渡機関に指定されました。
1986年6月: 国際放射線防護委員会（ICRP）との連携を強化するための「ICRP調査研究連絡会」が設置されました。
1989年5月: 登記上の住所を現在地に移転しました。
1990年11月: 放射線被曝と健康影響との関係を調べるための「放射線疫学調査センター」が設置されました。
2004年4月: 国際的な情報収集と分析を行う「国際情報調査室」が設置されました。

関連情報

放射線管理手帳: 放射線業務従事者の被曝線量を記録する手帳です。放影協もこの手帳の管理に関わっています。

外部リンク

* 公益財団法人放射線影響協会

放影協は、長年にわたり放射線影響に関する調査研究と知識普及に努めており、放射線利用の安全確保と科学技術の発展に貢献しています。

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