文化科学研究科

文化科学研究科は、人文科学、社会科学といった多岐にわたる学問分野を研究対象とする大学院の研究科です。この研究科の特徴は、その研究領域の幅広さにあり、教養的な分野から実務に直結する分野まで、様々な領域をカバーしています。文化科学という言葉は、元来、自然科学と対比される学問分野を指すものとして用いられてきましたが、大学院によっては自然科学の研究も取り入れている場合があります。

日本の大学における文化科学研究科の設立は、埼玉大学が教養学部を基盤として1977年に修士課程を設置したのが最初とされています。その後、教養学部のみで構成される放送大学も2001年に修士課程、2014年には博士課程を設置しました。また、学部を持たない大学院大学である総合研究大学院大学も、かつて文化科学研究科を設置していましたが、2023年4月には、先端学術院の先端学術専攻へと改組され、その20コースの一部に組み込まれました。

修了時に授与される学位は、修士（学術）や博士（学術）が一般的ですが、大学や専攻によって異なる場合があります。例えば、放送大学大学院では修士（学術）、博士（学術）が授与されますが、埼玉大学大学院ではかつて修士（文化科学）、博士（学術）を授与していました（2015年に人文社会科学研究科へ改組）。博士課程のみを置く総合研究大学院大学では、研究テーマに応じて博士（学術）または博士（文学）の学位が授与されていました。

現在、文化科学研究科を設置している大学

放送大学（修士課程、博士後期課程）

過去に文化科学研究科を設置していた大学

埼玉大学（修士課程、博士課程）
2015年に人文社会科学研究科に改組
総合研究大学院大学（博士課程）
2023年に大学院全体を1専攻20コースに改組したことに伴い、その一部のコースに。
岡山大学（博士前期課程、博士後期課程）
1993年に博士後期課程を設置、2004年に修士課程の3研究科を統合し博士前期課程を設置。2006年にいずれも「社会文化科学研究科」に改称。

関連事項

研究科の一覧
教養学部
総合文化研究科
総合科学研究科
社会文化科学研究科

文化科学研究科は、学際的な研究を推進し、複雑化する現代社会の課題に取り組む人材育成に重要な役割を果たしています。

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