政府保証債

政府保証債とは

政府保証債（せいふほしょうさい）とは、政府関係機関や特殊法人が発行する債券のうち、政府が元本および利子の支払いを保証しているものです。このタイプの債券は政府関係機関債に分類され、政府の財政強化を目的とした重要な手段の一つです。

法律上の位置づけ

政府保証債の発行は、原則として法人に対する政府の財政援助に関する法律（昭和21年法律第24号）によって制限されています。この法令により、政府や地方公共団体は一般的には会社や法人の債務について保証契約を結ぶことができませんが、特別の法律に基づいて設立された株式会社に対しては、この保証が許可される場合があります。

信用力と利率

政府保証があるため、政府保証債は基本的に国債と同様の信用力があると見なされています。一般的には国債よりもわずかに利率が高いのが特徴です。これは投資家にとって魅力的な投資先となる要素ですが、その一方で、特徴的な購入ルートが限られているため、個人投資家にとってはあまり知られていない存在です。

発行銀行と取引

国債とは異なり、政府保証債は証券会社以外にも銀行による引き受けが認められています。ただし、すべての金融機関がこの債券を取り扱っているわけではなく、各銀行が扱う債券は異なることが一般的です。例えば、A銀行が甲政府保証債を取り扱っていても、乙や丙政府保証債は扱わないことがあります。一方で、B銀行では乙政府保証債の取り扱いがあるというように、債券ごとの取り扱い状況が異なるため、購入時には注意が必要です。

投資先としての特徴

このように、政府保証債は一般にはあまり知られていない存在であり、機関投資家向けの債券と言えます。個人が購入することは国債に比べると非常に稀です。このため、一般の投資家にとってはアクセスしにくい商品となっています。特に、外国通貨建ての債券は政府保証外債と呼ばれ、日本政策投資銀行や国際協力銀行といった機関によって発行されます。

地方債のケース

近年では、地方債に関しても政府保証が付与される例が出てきています。たとえば、1999年に発行されたユーロドル建横浜市債券や、東京都債券などがあります。これにより、地方公共団体の資金調達においても政府の信用力が反映されることとなりました。

代表的な政府保証債の種類

政府保証債にはさまざまな種類があり、以下の債券がその一例です：

• - 日本政策投資銀行債券
• - 国際協力銀行債券
• - 預金保険機構債券
• - 銀行等保有株式取得機構債券
• - 首都高速道路債券
• - 中小企業債券
• - 公営企業債券

さらに、政府保証鉄道債券は国鉄が発行したもので、国鉄分割民営化後も新会社に対して政府保証が認められたケースも存在します。

結論

政府保証債は、政治的・経済的背景にちなむ重要な金融商品です。国と民間企業、地方公共団体の資金調達手段として、大きな役割を果たしており、その信用力と安定性から機関投資家にとっては魅力的な投資先となっています。

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