救急戦隊ゴーゴーファイブ 激突!新たなる超戦士

概要

『救急戦隊ゴーゴーファイブ 激突！新たなる超戦士』は、1999年7月9日に発売されたオリジナルビデオ作品です。これは『救急戦隊ゴーゴーファイブ』の単独作品であり、スーパー戦隊Vシネマシリーズの第5弾として位置づけられています。

この作品は、テレビシリーズとは異なるオリジナルのストーリーで展開され、スーパー戦隊Vシネマとしては初の試みとなる「前作戦隊との共演がない単独作品」です。ゴーゴーファイブに加え、本作のオリジナルキャラクターであるジークとジークジェンヌが共闘する姿が描かれています。近年では、この作品はVSシリーズとしてカウントされることもあります。
前年までのVシネマ作品の好調な売れ行きを受け、この年には2本の作品が制作されることになり、そのうち1本が『ゴーゴーファイブ』単独の新作として作られました。

コンセプトと新キャラクター

本作のコンセプトの一つには、「宮村優子に変身してもらおう」というものがありました。人気声優である宮村優子さんが演じる速瀬京子が、本作限定の第6の戦士「ジークジェンヌ」に変身して戦います。宮村さんは戦隊シリーズのファンであり、JAC（ジャパンアクションクラブ）でのアクション経験も持っていたため、この企画は実現しました。しかし、テレビシリーズで新戦士として登場させるのは設定上難しかったため、パラレルワールド的な新作でその機会が設けられました。

作品の冒頭では、宮村さんの代表作『新世紀エヴァンゲリオン』のヒロイン、惣流・アスカ・ラングレーの名ゼリフ「あんたバカァ？」が盛り込まれています。これは、監督の渡辺勝也さんが宮村さんのファンに向けたサービスとして提案し、宮村さん本人の同意を得て脚本に反映されました。

ゴーゴーファイブのライバル戦士であるジークは、『五星戦隊ダイレンジャー』でリュウレンジャーを演じた和田圭市さんが担当しました。ジークの装甲服を着た姿は、リュウレンジャーのスーツアクターも務めた大藤直樹さんが演じています。また、本作では他の戦隊の音楽を使用できなかったため、ジーク専用のテーマ曲が新たに作曲されました。

オリジナルキャラクターの詳細

獣魔ハンター・ジーク
外宇宙の破壊魔である獣魔一族と戦う獣魔ハンターのリーダーです。故郷の星を滅ぼした獣魔王ゴルモアを追い、地球にたどり着きました。仲間たちの仇を討つため、自らの命を顧みない復讐者であり、人命救助を第一とするゴーゴーファイブとは対立します。戦いの中でゴルモアに致命傷を負い、マトイの強い精神に触れますが、傷が悪化して命を落とします。しかし、彼の意志は京子に託され、クリスタルのエネルギーとなります。

装甲ジーク
ジークが金色の強化服・ジークテクターを装着した姿です。緑色のクリスタルパワーで「ジークテクター！」の掛け声とともに装着を完了します。武器は、獣魔ハンターの通常装備である銃ジークショット、ゴルモアのシールドを破壊するほどの威力を持つバズーカ砲ジークブラスター、鋼鉄も難なく切れる剣ジークソードです。

ジークジェンヌ
速瀬京子がジークから託されたクリスタルの力でジークテクターを装着した姿です。武器はジークショットとジークソードを使用します。追い詰められたゴーゴーファイブの危機を救い、自らの魂をブレイバーソードに宿し、ジークの命のエネルギーをビクトリープロミネンスのエネルギーに変えました。装甲ジークとの違いは、装甲服の一部とマスク部分がバイザー状になり、顔が隠れていない点です。ゴルモアを倒した後、クリスタルは散り、そのかけらは京子のネックレスになりました。デザインはジークの後に描かれ、デザイン画ではヒップラインが強調されています。

獣魔王ゴルモア
災魔一族と宇宙を二分する破壊魔、獣魔一族の王であり、大魔女グランディーヌに匹敵する力を持つとされています。宇宙誕生時にマイナスエネルギーが姿を変えて生まれた月の意匠を持つ影の魔剣シャドーソードと、太陽の意匠を持つ闇の魔剣ダークソードを生まれながらに所持していました。リリアの犠牲とジークの決断によってダークソードを失い、本来の力を失ったため、剣の行方を追って地球に襲来しました。ダークソードの代わりに左手に盾を装備した不完全な状態でありながら、ゴーゴーファイブと互角以上に戦うことができました。地球に襲来後、ゴーゴーファイブやジークと戦いを繰り広げ、その後、災魔一族と手を組み、地球を焼き尽くそうとします。シャドーソードとダークソードを同時に持つことで巨大化し、完全体となってグランドライナーを追い詰めますが、ビクトリーロボに乗り換えたゴーゴーファイブに形勢逆転され、最終的にはジークジェンヌの力を得たビクトリーロボによって倒されました。デザインモチーフは堕天使ルシファーです。

キャスト

巽マトイ / ゴーレッド：西岡竜一朗
巽ナガレ / ゴーブルー：谷口賢志
巽ショウ / ゴーグリーン：原田篤
巽ダイモン / ゴーイエロー：柴田賢志
巽マツリ / ゴーピンク：坂口望二香
巽モンド：マイク眞木
速瀬京子：宮村優子
ジーク：和田圭市
邪霊姫ディーナス：平沢草

声の出演
冥王ジルフィーザ：中村大樹
獣男爵コボルダ：乃村健次
童鬼ドロップ：闇村悠ノ介
呪士ピエール：松野太紀
獣魔王ゴルモア：稲田徹
アナライズロボ・ミント：相田さやか

スーツアクター
ゴーレッド、ジルフィーザ - 高岩成二
獣魔ハンタージーク - 大藤直樹

スタッフ

プロデューサー：太田賢司（テレビ朝日）、日笠淳・加藤和夫（東映）
原作：八手三郎
脚本：武上純希
音楽：渡辺俊幸
アクション監督：竹田道弘、宮崎剛（ジャパンアクションクラブ）
監督：渡辺勝也

音楽

オープニングテーマ：「救急戦隊ゴーゴーファイブ」
作詞：桑原永江 / 作曲・編曲：渡辺俊幸 / 歌：石原慎一 / コーラス：EVE
エンディングテーマ：「この星を この街を」
作詞：藤林聖子 / 作曲：風戸慎介 / 編曲：佐橋俊彦 / 歌：高山成孝

メディア展開

1999年7月9日：VHSレンタル開始
1999年7月21日：レーザーディスク発売
1999年11月21日：VHS発売
2001年5月21日：DVD発売
2016年3月23日：ブルーレイディスク発売（スーパー戦隊V CINEMA&THE MOVIE Blu-ray BOX 1996-2005に収録）
* 2019年2月6日：ブルーレイディスク分割発売開始（スーパー戦隊 V CINEMA&THE MOVIE Blu-ray 1999‐2000に収録）


この作品は、単独作品でありながらも、多くの魅力的なキャラクターとアクションシーン、そして物語の展開で、ファンを魅了しました。

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