教員の職階

学校教員の職階

学校教員の職階とは、学校における教員の職務上の階級制度のことです。ここでは、特に高等教育以外の学校（幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校）における職階について解説します。

日本における教員の職階

学校教育法第7条では、学校には校長と相当数の教員を置くことが定められています。そして、教員には様々な職階が設けられています。

教員の職階は、大きく分けて、高等教育機関とそれ以外の学校で体系が異なります。また、学校の設置者（国立大学法人、公立大学法人、地方公共団体、学校法人など）が定める規則によって、学校教育法で定められた職階がさらに細分化されている場合があります。

教員の職階と教員免許状の種類には直接的な相関関係は少ないですが、職階の上昇や変更のために、より上級の教員免許状の取得が推奨または義務付けられることがあります。

高等教育以外の学校における職階

高等教育以外の学校（幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校）における主な職階は以下の通りです。

校長（幼稚園では園長）
副校長（幼稚園では副園長）
教頭
主幹教諭
指導教諭
教諭
講師

また、教諭の職務を助ける学校職員として、助教諭や実習助手も置かれています。さらに、教育以外の分野を担当する学校職員として、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、司書教諭などがいます。幼稚園には、学校教育法に定められていない職員として、教育補助員が配置されることもあります。

各職階の詳細

校長・園長: 学校の長として、学校運営全般を統括します。
副校長・副園長: 校長を補佐し、校長の指示を受けて校務を行います。
教頭: 校長を補佐し、校務を整理します。また、必要に応じて児童・生徒の教育や幼児の保育を行います。
主幹教諭: 校長・教頭を補佐し、校務の一部を整理します。また、児童・生徒の教育や幼児の保育を担当します。学校の実情に応じて、養護や栄養に関する主幹教諭が置かれることもあります。
指導教諭: 児童・生徒の教育や幼児の保育を担当し、教諭その他の職員に対して、教育指導や保育の改善・充実のための指導や助言を行います。
教諭: 児童・生徒の教育や幼児の保育を担当します。教員採用試験に合格した正規教員であり、各学校の種別に対応する教員免許状（普通免許状または特別免許状）が必要です。東京都では、高度な知識や経験を必要とする教諭の職として「主任教諭」が制度化されています。
助教諭: 教諭の職務を助けます。臨時教員であり、教員免許状（臨時免許状）が必要です。現代ではほとんど見られない職階です。
講師: 教諭または助教諭に準ずる職務に従事します。常勤講師と非常勤講師があり、一般的に臨時教員です。教諭が長期休暇を取得する際に、代わりを務めることが多いです。
養護教諭: 幼児・児童・生徒の養護を担当します。学校の保健室などを担当する教員であり、教員免許状（養護教諭の普通免許状）が必要です。東京都では、「主任養護教諭」が制度化されています。
養護助教諭: 養護教諭の職務を助けます。臨時教員であり、教員免許状（養護教諭の臨時免許状）が必要です。
栄養教諭: 児童・生徒の栄養指導及び管理を担当します。教員免許状（栄養教諭の普通免許状）が必要です。
司書教諭: 学校図書館の専門的職務を担当します。主幹教諭、指導教諭、または教諭が兼務することが一般的です。司書教諭の講習を修了している必要があります。
実習助手: 実験または実習について、教諭の職務を助けます。教員免許状は必須ではありません。大阪府では、実習助手を統括する「総括実習助手」を置くことができます。
* 教育補助員: 幼稚園で、教育活動の補助を行います。教員免許状の有無は問われません。預かり保育の定着化に伴い、配置されることがあります。

まとめ

学校教員の職階は、学校の種類や設置者によって異なりますが、それぞれの職階が学校教育において重要な役割を担っています。各職階の役割や必要な資格を理解することで、より円滑な学校運営や教育活動に繋げることができます。

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