教授会

教授会：大学の意思決定と運営における役割

教授会は、大学における教員による合議制組織です。大学教員の意見をまとめて、大学運営に携わる重要な役割を担っています。ただし、その権限や組織形態は、大学の種類や設置形態、さらには時代背景によっても大きく異なります。

教授会の権限と役割

日本の大学において、教授会は主に学長や学部長に対して意見を表明する場として機能しています。主な議題は、教員人事、教育課程、学生に関する事項など、大学の運営に直結する重要な問題です。学校教育法第93条に基づき設置されており、法的な根拠を有しています。

しかし、その実質的な権限は、国立大学と私立大学、そして時代背景によって変化しています。私立大学では、大学設置者である学校法人の理事会が最終的な決定権を持つことが多く、教授会の決定が尊重されないケースも少なくありません。国立大学においても、法人化以降、学長権限の強化に伴い、教授会の影響力は相対的に低下しているのが現状です。

教授会の組織と構成

教授会は、大学全体に一つだけ設置されるわけではありません。学部や研究科、研究所などにそれぞれ設置されるのが一般的です。大学全体を対象とした迅速な意思決定を行うために、評議会などが設置される大学もあります。評議会は、教授会が一つしかない大学にも存在する可能性があります。

教授会を構成するのは教授が中心ですが、准[[教授]]やその他の職員も加わる場合があります。学校教育法第93条第4項では、准[[教授]]などの参加を認めています。助教の参加も大学によっては認められています。構成員は大学によって異なり、明確な規定はありません。

効率的な運営のために、教授会の下に代議員会や専門委員会などが設置されることもあります。これらの委員会の議決を教授会の議決とすることも可能です。これは学校教育法施行規則第143条に規定されています。

筑波大学における特例

筑波大学は、1973年の創設以来、独自の組織運営を行っています。学群・学系という独自の教育研究組織を持ち、教員会議が従来の教授会とは異なる権限と機能を担っています。これは、全学的管理運営組織のもと、学部に代わる組織として位置付けられているためです。

まとめ

教授会は、大学運営において重要な役割を担う組織ですが、その権限と機能は大学によって大きく異なります。学校教育法に根拠を持つとはいえ、理事会や学長などの権限とのバランス、そして大学ごとの独自の組織形態によって、教授会の実際的な影響力は多様性を示しています。私立大学と国立大学、そして大学間の違い、さらには時代背景の変化によって、教授会の役割と重要性は常に変遷し続けていると言えるでしょう。 そのため、それぞれの大学の教授会の権限と役割を理解するには、個々の大学の組織規定を確認する必要があります。

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