数位発展部 (中華民国)

台湾のデジタル政策を牽引する数位発展部（デジタル発展省）

数位発展部（すういはってんぶ、Ministry of Digital Affairs、略称：mòda）は、台湾におけるデジタル政策を統括する最高主管機関です。日本ではデジタル発展省やデジタル省とも表記されます。2022年8月27日に、行政院の関連機関を統合して設置されました。

設立の背景

2019年、蔡英文総統は「デジタル技術が社会を大きく変える」と演説し、行政院にデジタル発展を所管する行政機関の設置を指示しました。2020年の総統再選後、数位発展部の設立が正式に推進され、2021年には関連法案が可決。2022年1月には組織法が公布され、同年8月、数位発展部が正式に発足しました。

組織

数位発展部は、部長をトップとし、2名の政務次長と1名の常務次長が補佐します。内部部局として、数位策略司、靭性建設司、資源管理司、数位政府司、民主網絡司、多元創新司などが設置されています。また、官房組織として秘書処、人事処、政風処、主計処、資訊処、法制処が置かれています。

業務内容

数位発展部の主な業務は以下の通りです。

デジタル発展政策の推進：政策計画、資源の企画調整。
通信網の強靭性維持：デジタル応用の円滑性を確保。
デジタル通信資源の管理：公共の利益に沿った利用を保証。
デジタル政府の推進：政府の効率向上。
国際デジタル民主主義ネットワークへの参加：国際社会への貢献。
情報運用とイノベーションの促進：デジタル技術の応用開発。

所属機関

数位発展部には、以下の所属機関があります。

資通安全署：サイバーセキュリティ政策・計画の企画・実施、国家レベルのサイバー防護演習、インフラ防護などを行います。行政院サイバーセキュリティ会議の事務局も担当します。
数位産業署：デジタル技術の応用推進、デジタル経済産業発展の政策立案を行います。

所管法人

数位発展部は、以下の法人を所管しています。

行政法人国家資通安全研究院（NICS）
財団法人資訊工業策進会（III）
財団法人台湾網路資訊中心（TWNIC）
財団法人電信技術中心（TTC）

他の国・地域の類似機関

数位発展部と同様の役割を担う機関は、世界各国に存在します。

中国：工業情報化部、国家インターネット情報室
日本：デジタル庁
韓国：科学技術情報通信部
シンガポール：情報通信省
エストニア：経済通信省、情報システム管理局
マレーシア: 通信デジタル省
ウクライナ：デジタルトランスメーション省

まとめ

数位発展部は、台湾のデジタル化を加速させるための重要な機関です。情報通信、サイバーセキュリティ、デジタル経済など幅広い分野で、政策立案、技術開発、国際協力など、多岐にわたる活動を展開しています。その活動は、台湾のデジタル競争力を高め、持続可能な社会の実現に貢献することが期待されています。


参考資料
數位發展部
Ministry of Digital Affairs 數位發展部 (@TAIWANmoda) - X
数位発展部 - Facebook

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