敷波型駆逐艦

敷波型駆逐艦：鹵獲艦から生まれ変わった帝国海軍の駆逐艦

敷波型駆逐艦は、大日本帝国海軍が日露戦争において鹵獲したロシア帝国海軍の水雷巡洋艦を再利用した艦級です。山彦型と同様に、鹵獲艦を有効活用した事例として知られています。

概要

日露戦争で多数のロシア艦艇を捕獲した日本海軍は、これらの艦艇を整備し、自国の戦力として編入しました。敷波型は、元ロシア水雷巡洋艦カザルスキー級の「ガイダマーク」と「フサードニク」が該当します。両艦は1894年に竣工し、日露戦争では旅順港に沈没していましたが、引き上げられて再整備されました。

同型艦

敷波型は以下の2隻で構成されます。

敷波（しきなみ）

元はロシア水雷巡洋艦「ガイダマーク」でした。1905年8月に旅順で引き上げられ、整備後、同年10月31日に「敷波」と命名されました。しかし、1913年4月1日に除籍され、1914年8月23日には雑役船「敷波丸」となりました。1915年6月28日に廃船となり、売却されました。

巻雲（まきぐも）

元はロシア水雷巡洋艦「フサードニク」でした。1905年8月に旅順で引き上げられ、整備後、同年10月31日に「巻雲」と命名されました。1907年に整備が完了し、戦力として運用されましたが、1913年4月1日に除籍され、1914年8月23日には雑役船「巻雲丸」となりました。1915年6月28日に廃船となりました。

参考文献

艦船模型スペシャル No.17 日本海軍 駆逐艦の系譜 1
片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』光人社、1993年
* 福井静夫『福井静夫著作集第5巻 日本駆逐艦物語』（光人社、1993年）ISBN 4-7698-0611-6

敷波型駆逐艦は、短期間の活躍でしたが、鹵獲艦の有効活用という点で、日本海軍の歴史において特筆される存在です。特に、日露戦争後の日本の国力増強策の一環として重要な役割を果たしました。

もう一度検索