文化情報学部とは？意味をやさしく解説

文化情報学部とは

文化情報学部は、文理融合型の学部であり、アメリカや韓国などでは一般的な「文献情報学科」や「文献情報学専攻」として知られています。日本では、1994年に駿河台大学が初めて開設しました。卒業生には主に「学士（文化情報学）」の学位が授与されます。

概要

日本で最初に文化情報学部を設立した駿河台大学では、当初、「図書館情報学」「計算機科学」「文書館学」を統合した学際領域として位置づけられました。これは1990年代の情報学部ブームに乗じた動きと言えます。ただし、駿河台大学の文化情報学部は2009年にメディア情報学部に改組され、その名称は消滅しました。

その後、他の大学でも文化情報学部が開設されましたが、いずれも「文化・情報資源を対象とする」という共通点があります。当初は文書館学や図書館情報学の色合いが強かったものの、2005年に開設された同志社大学の文化情報学部では、文化現象を計量、科学的、総合的に理解する方法論が重視され、データサイエンスとしての側面が強くなっています。

大学によって学部の特色は異なり、英語の学部名にもそれが表れています。駿河台大学では、文化資源を強く意識した名称を用いていました。これは、同大学の安澤秀一名誉教授が提唱した「文化情報資源を対象とした学際分野」という考え方が大きく影響しています。

駿河台大学: "Faculty of Cultural Information Resources"
椙山女学園大学: "School of Culture-Information Studies"
同志社大学: "Faculty of Culture and Information Science"

学部の特徴

文化情報学部では、図書館情報、アーカイブズ、アート、映像、音響、観光といった分野を専門的に学び、コンピュータを用いた情報処理技術などを体系的に習得できます。図書館司書や学芸員などの公的資格を取得できる大学もあり、近年では教職員免許を取得できる大学も増えています。

卒業後の進路は多岐にわたりますが、専攻を生かしてマスメディアや情報サービス業界でシステムエンジニアやプログラマとして活躍する人が多いです。

文化情報学部を持つ日本の大学

椙山女学園大学
同志社大学文化情報学部

文化情報学を扱った図書

安澤秀一, 原田三朗編著. 『文化情報学：人類の共同記憶を伝える』. 北樹出版, 2002
村上征勝（編）. 『文化情報学入門 (文化情報学ライブラリ)』. 勉誠出版, 2006

文化情報学部