文化省 (ブラジル)

ブラジル文化省について

ブラジルの文化省（Ministério da Cultura、略称MC）は、国の芸術や文化的アイデンティティの保全、推進を目的とする中央官庁です。この省は、考古遺産、民俗文化、歴史的財産の研究や保護を担い、ブラジルの文化的価値を高め、国民のアイデンティティを支える重要な役割を果たしています。

沿革

文化省は、1985年3月15日にジョゼ・サルネイ政権時に設立されました。設立を決定づけたのは、法91.144号に基づくもので、文化の推進に向けた初の動きでした。1990年にはフェルナンド・コロール・デ・メロ政権によって文化総局に改編され、大統領直轄の官庁となりましたが、1992年にはイタマル・フランコ大統領によって法律8.490が施行され、再び文化省としての体制に戻されました。

その後、1998年5月27日にはフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ大統領による法9.649施行により大幅な改編がなされ、特定の文化領域、特に演劇や映画に対する支援が強化されました。このように文化省は、国家の文化振興に向けた施策を次々と進めていきました。

著名な音楽家ジルベルト・ジルが2003年に省の大臣に就任し、2008年まで在職したことも特筆すべき出来事です。彼の姿勢はブラジル音楽界に多大な影響を与えました。

文化省の歴史の中では、2016年5月12日にミシェル・テメル大統領代行によって文化省が廃止され、教育文化省に統合される決定が下されました。これに対して全国各地で抗議活動が発生し、アーティストたちも市民と共に立ち上がりました。その抗議活動の結果、同年5月23日に廃止決定は撤回されました。しかし、2019年にジャイール・ボルソナロが大統領に就任し、再度文化省は廃止されました。だがその後、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ政権が発足し、文化省は再設立されました。

組織

文化省は様々な機関を傘下に持っています。主な機関としては以下のものが挙げられます。

• - 国立歴史遺産研究所（IPHAN）：文化遺産の保護や管理を行う。
• - 国立映画庁（Ancine）：映画産業支援や振興を担う。
• - ルイ・バルボサ家屋財団（FCRB）：歴史的建物の保存と管理を行う。
• - パウマーレス文化財団（FCP）：文化活動支援を担当。
• - 国立美術財団（Funarte）：美術作品の普及と支援を行う。
• - 国立図書館財団（BN）：図書館の発展を図り、情報資源の充実を目指す。

これらの機関は、ブラジルの文化を豊かにし、国民の文化的な生活を向上させるために協力し合っています。

外部リンク

• - Ministério da Cultura（公式サイト、ポルトガル語）

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