文化自由会議

文化自由会議（CCF）について

文化自由会議（CCF）は、1950年に冷戦の真っ只中で設立された文化人たちの団体です。この組織は、共産主義の影響に対抗することを目的としており、特に文化や芸術の自由を守るために活動を展開しました。その活動は、当時の知識人たちの間で広がっていた、「ブルジョワ民主主義は共産主義と文化や芸術で両立しない」という考え方に対抗するものです。

CCFは、1950年6月26日に西ベルリンのティタニア・ホールで設立されました。これは、1949年にニューヨークで開催された平和会議へのCIAの返答として機能し、さまざまな国から集まった知識人や文化人が創設に参加しました。設立当初から、CCFは冷戦時代における文化戦争の一翼を担う存在として位置づけられました。

活動と目的

CCFの活動は、35カ国にわたり、広範囲に渡ります。多くのオフィスやスタッフを擁し、世界中の芸術イベントを支援し、数々の出版物を企画しました。特に、アメリカの文学や美術を海外に紹介するための活動に注力しており、翻訳支援や展覧会の開催、批評誌への資金提供などを行っていました。これにより、各国へのアメリカ文化の普及に大きな影響力を持ったのです。

冷戦下では、米ソの二大勢力が様々な分野で対立していましたが、CCFは特に文化の面でソビエト陣営との対抗を図っていました。また、左派知識人に対するネガティブ・キャンペーンも行い、特にチリの詩人パブロ・ネルーダに対する攻撃が顕著でした。ネルーダがノーベル文学賞の候補になった際には、批判を強められる状況にありましたが、最終的には1971年に同賞を受賞しました。

資金源とCIAの関与

興味深いことに、CCFは1967年にCIAからの資金提供を受けていたことが明らかになりました。『ランパーツ・マガジン』や『サタデー・イブニング・ポスト』において、CIAが反共主義文化団体に資金援助を行っていたことが報じられたことで、CCFの信頼性が揺らぎました。CIAの隠密作戦責任者が、CCFに対する資金提供の内容を認めたことも、これらの報道に信憑性を与えました。

出版物と影響

CCFによって資金提供された出版物は多数あり、たとえばオーストラリアの『Quadrant』や、イギリスで出版された『Encounter』、フィリピンの『Solidarity』、日本の『自由』などが挙げられます。これらの出版物は、文化自由会議の影響力を示すものとして重要な位置を占めています。

現在の位置付け

CCFは1990年まで活動を継続し、その後は国際文化自由協会（IACF）に改名しました。今やその活動資料はシカゴ大学図書館の特別コレクションで保管されています。文化自由会議の実態を知るための重要な資料となっているのです。このように、CCFは冷戦期間中の文化的な戦線において影響力を持っていたことがわかります。特にCIAとの関わりが明らかとなったことで、その活動は一層注目を集めることとなりました。

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