文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律

文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律（文化観光推進法）

概要

この法律は、文化観光拠点施設を核とした地域における文化観光を推進し、国内外からの観光客誘致を図ることで、国民生活の豊かさと国民経済の発展に貢献することを目的としています。2020年（令和2年）4月17日に公布され、略称として「文化観光推進法」と呼ばれています。

施行

2020年（令和2年）5月1日に施行されました。この施行に伴い、文化財保護法の一部が改正されました。

構成

この法律は、以下の構成から成り立っています。

第一章: 総則（1・2条）
第二章: 基本方針（3条）
第三章: 文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光を推進するための措置
第一節: 拠点計画の認定等（4 - 7条）
第二節: 認定拠点計画に基づく事業に対する特別の措置（8 - 10条）
第三節: 地域計画の認定等（11 - 15条）
第四節: 認定地域計画に基づく事業に対する特別の措置（16・17条）
第五節: 国等の援助等（18 - 21条）
第四章: 雑則（22・23条）
第五章: 罰則（24条）

計画の概要

拠点計画

文化観光拠点施設を中心とした地域における文化観光を推進するための計画です。主務大臣（文部科学大臣及び国土交通大臣）に計画を届け出て認定されると、道路運送法などの法律の特例が適用されます。しかし、計画の進捗が思わしくない場合、認定が取り消されることもあります。

地域計画

市町村または都道府県単位で、文化観光を総合的かつ一体的に推進するための計画です。この計画も主務大臣に届け出て認定されると、拠点計画の特例に加え、文化財保護法の特例として、計画区域内の文化財を文化財として登録することを提案できます。拠点計画と同様に、進捗が停滞した場合は認定が取り消されます。

認定状況

この法律に基づき、文化観光振興を図るための文化施設等の認定が複数回行われています。

第1次認定: 2020年8月に10件の文化施設が初めて認定されました。
横手市増田まんが美術館を中核とした地域資産活用地域計画
群馬県立歴史博物館イノベーション文化観光拠点計画
天王洲アートシティ創造推進施設「TERADA ART MUSEUM（仮称）」拠点計画
山梨県文化観光推進地域計画
徳川美術館の文化観光拠点計画
特別史跡一乗谷朝倉氏遺跡を中核とする地域文化観光推進地域計画
いかす・なら地域計画
屋根のないミュージアム・堺 地域計画
大原美術館を中核とした倉敷美観地区の文化・観光推進拠点計画
阿蘇ジオパークの拠点施設を中核とした文化観光の推進に係る地域計画

第2次認定: 2020年11月には、対象施設を具体的に明示する形で認定が行われました。
第3次認定: 2021年5月に認定が行われました。
第4次認定: 2021年11月に認定が行われました。

関連情報

関連項目:
文化財
文部科学省
外部リンク:
* インターネット版官報 - 制定時の官報

この法律は、地域の文化資源を活用し、観光振興を通じて地域活性化を目指す上で重要な役割を果たしています。各地域がそれぞれの特性を活かした文化観光計画を策定・実施することで、魅力的な観光地づくりと地域経済の活性化に繋がることが期待されます。

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