文化財保存計画協会

文化財保存計画協会について

文化財保存計画協会（ぶんかざいほぞんけいかくきょうかい）は、文化遺産の保存や技術指導を専門に行う民間団体です。1970年に設立され、登録有形文化財に関する設計と監理の技術指導を行う国家公認の法人として、文部科学省文化庁から認定を受けています。本部は東京都千代田区に位置しています。

起源と歴史

協会は、設立当初は「破風造形研究室」としてスタートしました。設立の主な目的は、文化財保存を通じて国民の文化的環境を向上させることにありました。この目標を達成するために保存計画の手段を研究し、文化財の所有者と協力しながら、実際的な保存修理を行う技術者集団として成長していきました。

1975年には「保存科学研究会東京支部」に再編成され、1979年には現在の名称に改組されました。その後、1987年には収益部門を株式会社として組織分離し、現在の形態に至ります。さらに、協会は品質マネジメントシステムの国際規格（ISO9001）を実践し、デミングサイクルを活用して活動しています。

活動内容

文化財保存計画協会は、以下のようなさまざまな事業を展開しています。

• - 遺跡保存: 国指定の史跡や土木遺産の保存整備を行います。具体的には、千葉市の加曾利貝塚や群馬県の保渡田古墳群など、数多くのプロジェクトで実績を上げています。
• - 建造物の復元整備: 出島和蘭商館をはじめとする重要な歴史的建造物の復元を手がけています。
• - 文化財建造物の保存修理: 重要文化財の修理指導を実施し、例えば熊本県の十島菅原神社や神奈川県の富士屋ホテルなどが挙げられます。
• - 庭園及び景観整備: 群馬県の楽山園庭園修復や、静岡県の臨済寺庭園整備なども行っています。

さらに、海外での遺跡保存技術協力にも積極的であり、中国やインド、アフガニスタン等でのプロジェクトにも関与しています。

所属学会と登録

文化財保存計画協会は、国際記念物遺跡会議や日本ICOMOS、また日本建築学会など、複数の専門学会にも所属しており、その技術力の向上と情報交換を図っています。また、一級建築士事務所や建設コンサルタントとしても登録されています。

その他の取り組み

協会は、社会貢献にも力を入れています。大学や研究機関への研究協力や講師派遣を行うほか、NGOやNPO団体とも連携し、文化財保存に関する技術情報の提供を行っています。大学生や大学院生の研修受け入れも行い、次世代の人材育成に努めています。文化財保存計画協会は、日本の豊かな文化遺産を守り、未来に継承するための重要な役割を担っています。

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