斉藤恒芳

斉藤恒芳：多様なジャンルを彩る作曲家・キーボーディスト

1965年、静岡県伊豆市生まれの斉藤恒芳氏は、日本を代表する作曲家、キーボーディストです。幼少期から類まれな才能を示し、7歳でクラシックピアノを始め、9歳から作曲を始めるなど、音楽への情熱は並々ならぬものがありました。少年時代から数々のコンクールで高い評価を受け、ピアニストとしての才能を早くから開花させています。

静岡県立三島南高等学校を経て、東京芸術大学音楽学部作曲科に進学。在学中の1987年には、葉加瀬太郎氏、竹下欣伸氏と共に、後に人気グループとなるクライズラー&カンパニーを結成しました。1990年のメジャーデビュー以降は、国内外でのコンサート活動や海外アーティストとの共演など、精力的に活動を展開。国際的な舞台でも活躍する存在となりました。

特に1995年には、デイヴィッド・フォスター氏、セリーヌ・ディオン氏とレコーディングに参加したフジテレビ系テレビドラマ『恋人よ』の主題歌『To Love You More』が大ヒット。斉藤氏の音楽的才能を広く知らしめるきっかけとなりました。

クライズラー&カンパニー解散後の1996年からは、ソロ活動に軸足を移し、その才能をさらに多様な分野で開花させています。NHK『首都圏ネットワーク』をはじめとするテレビドラマや、『天地無用!』、『時空転抄ナスカ』、『旋風の用心棒』といった人気アニメ作品の劇伴音楽を手掛け、幅広い層に作品を提供。その活動は、テレビにとどまりません。牧阿佐美バレヱ団の舞台作品や、ミュージカル『不思議の国のアリス』、ロック・オペラ『ハムレット』などの付随音楽、映画音楽と、その活動範囲は多岐に渡ります。

さらに、音楽プロデューサーとしても活躍し、薬師丸ひろ子氏、中西圭三氏、安達祐実氏、渡辺美里氏など、数々のアーティストに楽曲を提供。自身の作曲活動に加え、他アーティストの才能を最大限に引き出す手腕も高く評価されています。

1999年には、宝塚歌劇団宙組公演『激情』の音楽で文化庁芸術祭優秀賞を受賞。その功績は、日本の音楽界における彼の地位を確固たるものにしました。2001年にはソロアルバム『リラクシング・ピアノ』を発表し、クラシック音楽にとどまらず、幅広いジャンルの音楽を独自の感性で表現しています。

近年も精力的に活動を続け、アニメ『かげきしょうじょ!!』(2021年)などの作品や、宝塚歌劇団の様々な公演音楽を手掛けています。編曲やプロデュース、楽曲提供といった活動を通じ、常に新たな音楽的挑戦を続ける斉藤恒芳氏の今後の活躍に、ますます期待が高まります。

主な作品には、テレビドラマ『仮面ライダーキバ』(2008年)、『MM9』(2010年)、映画『イッツ・ア・ニューデイ』(2007年)、『レイトン教授と永遠の歌姫』(2009年)、アニメ『蒼穹のファフナー』シリーズ(2004年-2015年)、ゲーム『リングオブサイアス』(1996年)などがあります。また、イングヴェイ・マルムスティーンのコンサートにおいて、オーケストラアレンジも担当しています。

音楽界に多大な貢献を果たしてきた斉藤恒芳氏は、これからも独自の世界観と高い音楽性を追求し、人々を魅了し続けることでしょう。

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