斎尾廃寺跡

斎尾廃寺跡について

斎尾廃寺跡（さいのおはいじあと）は、鳥取県東伯郡琴浦町槻下に存在する、飛鳥時代後期から奈良時代にかけての寺院の遺構です。ここは、国の特別史跡に指定されており、その価値は非常に高く評価されています。

寺院の概要

斎尾廃寺跡の特徴は、東に金堂、西に塔を配置した法隆寺式の伽藍配置です。寺域の広さは東西160メートル、南北250メートルに及び、約4万平方メートルという広大な範囲を誇ります。1952年3月29日に国の特別史跡に指定されたことで、その保護が強化されました。現在も遺跡の中には、金堂や塔に関する土壇や礎石が残存しており、特に講堂の礎石や中門の土壇も確認されています。このように良好な遺構の保存状態が、山陰地方において唯一の国指定の特別史跡とされている所以です。

また、斎尾廃寺跡は白鳳時代に建立されたと考えられ、山陰地方における歴史的な遺産としても重要です。

発掘調査と出土品

発掘調査を通じて、多数の瓦や土器類が発見され、これらは当時の文化や技術を示す貴重な証拠となっています。特に、軒丸瓦は紀寺跡、軒平瓦は法隆寺のものと文様が共通しており、南北の文化的な交流の証左とも言えます。

出土品の一部は、琴浦町生涯学習センターの「まなびタウンとうはく」や、現地近くの「白鳳館」にて展示されていますので、訪れた際には是非立ち寄ってみることをお勧めします。

アクセス情報

斎尾廃寺跡へのアクセスは、JR山陰本線の「浦安駅」から徒歩で約40分。または、タクシーを利用すれば約7分で到着します。バスを利用する場合は、浦安駅バス停から約13分、「斉尾団地」で下車し、徒歩で約10分ほど歩くと到着します。車の場合は、山陰道「琴浦東」ICから下車後、県道44号および151号を経由し、約5分の距離です。

文化財としての価値

1935年には国の史跡に指定され、その後1952年に特別史跡に昇格した背景には、斎尾廃寺跡が持つ歴史的意味合いや文化的価値が大きく関与しています。この遺跡は、飛鳥から奈良時代の仏教の発展や当時の社会情勢を学ぶ上で、貴重な資料を提供してくれる存在となっています。

斎尾廃寺跡の存在は、過去の文化についての理解を深めることができる貴重な学びの場であり、訪れる人々に歴史の重みを伝える重要なスポットです。

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