斎田忠利

斎田 忠利（さいだ ただとし、1934年4月11日 - ）は、東京都出身の元プロ野球選手、審判員です。選手としてプレーした後、パシフィック・リーグの審判員として長きにわたり活躍し、審判部長も務めるなど、日本のプロ野球界に多大な足跡を残した人物です。

高校時代、法政大学第二高等学校で野球部に所属。四番打者、中堅手として活躍し、1952年夏の甲子園大会に出場しましたが、初戦で敗退の憂き目に遭いました。卒業後、法政大学に進学。東京六大学野球リーグでは、チームは優勝に手が届きませんでしたが、斎田氏は1年生の頃から中心打者として活躍しました。大学時代には通算104試合に出場し、357打数78安打、打率.218、32打点という記録を残しています。

大学卒業後、1957年に大映ユニオンズに入団しプロの道へ進みました。プロ入り1年目から一軍でプレーしました。翌年には球団再編に伴い近鉄パールスへ移籍。近鉄では外野手の準レギュラーとして1962年まで現役を続けました。プロ通算成績は434試合出場、946打数225安打、打率.238、17本塁打、91打点です。

現役引退後、斎田氏はプロ野球審判員に転身しました。パシフィック・リーグを代表する名審判として、数々の重要な試合でジャッジを担当。特に、1978年の阪急ブレーブスの今井雄太郎投手の完全試合達成時の球審、1988年「10.19」ダブルヘッダー第1試合での二塁塁審、1989年ラルフ・ブライアント選手の4連続本塁打のうち3本が出た試合での右翼外審など、歴史的な瞬間に立ち会いました。

組織内では、1982年から1989年までパシフィック・リーグ審判部長を務め、審判団の統括や後進の指導にあたりました。1990年に部長職を、近鉄時代の後輩でもある村田康一氏に譲った後も、主に二軍公式戦で若手審判員の育成に尽力しました。

1991年に引退するまで、1977年に袖番号が導入されて以来一貫して「10」の袖番号を使用。一軍公式戦出場試合数は2859試合に達し、オールスターゲームには7回、日本シリーズには13回出場するなど、長年にわたり第一線で活躍しました。特に1960年代後半から1980年代にかけては、パ・リーグを代表する、信頼厚い審判員として知られていました。審判スタイルでは、アウトサイドプロテクターの使用にこだわり続けたことが特徴です。

審判員引退後も野球界に貢献を続けており、1992年から1994年には審判指導員として次世代を育成しました。現在もマスターズリーグで審判を務めたり、プロ野球OB会主催の野球教室で子どもたちへの指導にあたるなど、野球の普及・発展に精力的に活動しています。選手、審判、指導者として、長年にわたり日本の野球界に貢献した功労者です。

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