斎藤靖二

斎藤靖二（さいとう やすじ、1939年 - ）は、日本の地質学・地球科学界を牽引してきた著名な研究者です。専門は堆積岩岩石学であり、その深い知識と研究成果は、日本の地質学の発展に大きく貢献してきました。

経歴

秋田県出身の斎藤氏は、東北大学理学部地学科地学第一学科を卒業、大学院修士課程を修了後、博士課程を中退し、国立科学博物館に研究者として奉職しました。1965年に国立科学博物館研究官となり、1996年には地学研究部長に就任。2004年には独立行政法人国立科学博物館名誉研究員となりました。2006年からは神奈川県立生命の星・地球博物館館長を務め、2014年に名誉館長となっています。学会活動も活発で、2004年には日本地質学会会長、2019年には東京地学協会会長に就任しています。

1968年には、東北大学より理学博士号を授与されています。博士論文の題目は「Geology of the younger Paleozoic system of the southern Kitakami mountainland, Iwate Prefecture(南部北上山地上部古生界の地質)」です。

主な著書

斎藤氏は、研究活動に加えて、数多くの著書を執筆・監修しており、一般読者にも地質学の面白さを伝えることに貢献しています。

『原色写真 石の見分け方』 (加島書店、1972年)
『地層をしらべる』 (岩波書店、1981年)
『いしあつめ』 (岩波書店、1982年)
『変動する地球』 (岩波書店、1984年)
『どろあそび』 (偕成社、1986年)
『日本の堆積岩』 (岩波書店、1987年)
『日本列島の生い立ちを読む』 (岩波書店、1992年)
『変動する地球 新版』 (岩波書店、1994年)
『かわらの小石の図鑑 - 日本列島の生い立ちを考える』 (東海大学出版会、1996年)
『生きている地球』 (集英社、1973年)
『地球たんけん』 (集英社、1980年)
『地球 改訂版』 (学習研究社、1998年)
『グラフィック 日本列島の20億年』 (岩波書店、2001年)
『絵でみる日本大地図 改訂版』 (同朋舎、2001年)
『地球と岩石・化石 改訂新版』 (学習研究社、2002年)
『地球をまもろう』 (丸善、2002年)

これらの著書は、専門的な知識をわかりやすく解説し、地質学への関心を広げる役割を果たしています。特に、子供向けの書籍も多く、次世代への地質学教育にも力を注いでいることが伺えます。

斎藤靖二氏は、研究者としてだけでなく、博物館の館長として、また著述家として、多岐にわたる活動を通じて、日本の地質学の発展に大きく貢献している人物です。

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