新 必殺からくり人

新 必殺からくり人

『新 必殺からくり人』（しんひっさつからくりにん）は、1977年11月から1978年2月にかけてテレビ朝日系で放送された時代劇です。全13話で構成され、本作は必殺シリーズの第11作目であり、特に必殺からくり人シリーズの第3作にあたります。

この作品の独特な魅力は、実在の人物である高野長英を殺し屋の役柄に据え、さらには『東海道五十三次』をテーマにしたストーリー展開です。視聴者は浮世絵に登場する殺しの依頼を通じて、物語を追体験します。このように異色な旅物の要素を取り入れることで、シリーズの新たな基盤を築くことに成功しました。なお、前作とは異なるキャストが起用されているものの、関連するイメージや名称が使われており、視聴者に親しみやすい印象を与えています。

本作は、特に殺し屋たちがすべて独自のスキルを持つ斬新な設定が特徴です。一般的な必殺シリーズでは1人は密偵が存在するのですが、本作では男性キャストの3人がその役割を担い、よりダイナミックな展開を生み出しました。タイトルに「東海道五十三次殺し旅」と誤解されることもありますが、実際の番組名は『新 必殺からくり人』が正式なものです。

音楽は平尾昌晃が担当し、シリーズ全体からの流用が主でしたが、一部新曲も作成されました。しかしその多くは未使用となり、後の作品に果たして役立つこととなりました。主題歌の一部は、番組内の特定のシーンで利用されたこともあり、これは視聴者にとって印象深い瞬間を演出しました。

あらすじ

物語は、天保太夫に扮する泣き節お艶一座が主役となります。この一座は、表の顔は小屋掛けの芸人として活動しながら、裏では「からくり人」として弱者の恨みを晴らす役割を担っています。ある夜、逃げる男が一座に助けを求めて逃げ込んできたことで、物語は動き出します。この男は正体不明ながら、追っ手から必死に逃げる中で、一座も次第にその運命に巻き込まれていくのです。

翌日、彼らは奉行所からの呼び出しを受け、江戸所払いを宣告されます。元々後ろ暗いところがあった一座は、新たな危機に直面し、小屋まで焼かれてしまいます。しかし、絵師の安藤広重が彼らに手を差し伸べ、画題を描く旅を通じて悪人を排除する依頼を持ちかけます。

一座はこの依頼を引き受け、旅の途中で謎の男「蘭兵衛」が仲間となり、東海道五十三次に沿った殺し旅に加わります。物語は、殺し技を駆使しながら展開される中で、仲間同士の絆やそれぞれの過去が明らかになり、クライマックスが迫るという緊張感が漂います。

登場キャラクター

本作には個性的なキャラクターたちが登場します。お艶の義理の娘・小駒や、一座の副座長ブラ平、落語家の噺し家塩八など、各々の特技を活かして物語をより豊かに彩ります。特にお艶は殺し屋として冷静に計画を進め、周囲の状況に応じて柔軟に対処する姿が印象に残ります。

まとめ

『新 必殺からくり人』は、歴史的な背景を持ちながら、多彩なキャラクターと緊迫したストーリー展開で、視聴者を引き込む魅力を持っています。必殺シリーズの中でも、その独自性から多くのファンに愛される作品となりました。

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