新たなる香辛料を求めて

森山直太朗の『新たなる香辛料を求めて』は、2004年5月26日にユニバーサルミュージックから発売された、彼の初のフルアルバムです。

概要

これまで6曲程度の「コアアルバム」をリリースしてきた森山直太朗にとって、本作は初のフルアルバムとなりました。フジテレビ月9ドラマ『愛し君へ』の主題歌「生きとし生ける物へ」、挿入歌「愛し君へ」、映画『半落ち』の主題歌「声」など、数多くのタイアップ曲が収録されています。これらのタイアップとドラマの人気が相まって、アルバムとして初のオリコン1位を獲得しました。また、本作から「今が人生」がシングルカットされています。

収録曲について

太陽〜邂逅編〜: 4枚目のシングル「太陽/声」のアルバムバージョン。ミックスが新たに施され、和太鼓の音や掛け声が取り除かれています。ボーカルも新録されており、森山自身は、ツアーを通じて楽曲のイメージが固まり、以前よりも硬派になったと語っています。

紫陽花と雨の狂想曲: フジテレビ月9ドラマ『愛し君へ』の挿入歌。元々は、森山がオールナイトニッポンを担当していた際にリスナーからの投稿を受けて制作された楽曲です。初期バージョンとは歌詞が若干異なり、本バージョンでは「偽り」の部分が「幻」に変更されています。また、「クイズ!ヘキサゴンII」出演者によるコンサートでつるの剛士がカバーし、『つるのうた』に収録されました。

旅立ちの朝 〜アルバム・ミックス〜: 5枚目のシングル「生きとし生ける物へ」のカップリング曲。シングル収録時とはミックスが異なっています。

青春のメモワール: 実在のモデルであるかは不明ですが、ボクサーの半生を描いたドラマティックな物語です。

声: 4枚目のシングル「太陽/声」に収録。映画『半落ち』の主題歌であり、第一生命のCMにも採用されました。

生きとし生ける物へ 〜アルバム・エディット〜: フジテレビ月9ドラマ『愛し君へ』の主題歌。5枚目のシングル表題曲のアルバムバージョンで、シングルバージョンとは異なり、イントロの男性コーラスによるサビの合唱がなく、Aメロから始まります。

革命前夜、ブラックジャックに興じる勇者たち: 本アルバムの中で唯一の楽曲ではなく、オルゴールをBGMにしたポエトリーリーディングです。

今が人生: 「今が人生〜飛翔編〜」として、同年8月4日にシングルカットされました。

* なんにもないへや: アルバムのラストを飾る楽曲。他の収録曲とは音の聞こえ方が異なり、部屋の空気感を表現するために6本のマイクを使用してレコーディングされました。

『新たなる香辛料を求めて』は、森山直太朗の音楽性の幅広さを示すとともに、タイアップ戦略の成功によって幅広い層に認知されるきっかけとなった重要な作品と言えるでしょう。

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