新ダイビル

新ダイビル（2代目）：大阪の街を見守る超高層ビル

2015年、大阪市北区堂島浜に竣工した新ダイビルは、戦後の高度経済成長期に建てられた旧ダイビルの跡地に建設された超高層ビルです。50年以上にわたり、大阪経済の中枢を担ってきた歴史と、現代的なデザインを融合させた、大阪を代表するランドマークと言えるでしょう。

歴史：戦後の復興から現代へ

新ダイビルの歴史は、旧大阪ビルヂング（現在のダイビル株式会社）の設立にまで遡ります。1925年に大阪・中之島に建設された旧大阪ビルヂングは、その後東京にも分館を建設するなど、順調に事業を拡大していました。しかし、戦争によって旧ビルは焼失、米軍接収を経て、戦後の1953年に接収解除となりました。

旧ビル跡地の再開発構想は、1950年代半ばから始まりました。経済状況の影響もあり、計画は遅延しましたが、1956年に南館の建設が開始、1958年に竣工。その後、1961年には北館の建設が始まり、1963年に竣工し、新ダイビルが完成しました。

40年以上にわたって利用された新ダイビルでしたが、2007年、超高層ビルへの建て替えが発表されました。日本建築学会近畿支部からの保存要望もありましたが、建て替え計画は進められ、2010年に旧ビルは解体されました。

建築概要：洗練されたデザインと環境への配慮

新ダイビルは、村野・森建築事務所による設計です。旧ダイビルの面影を残しつつ、現代的なデザインを取り入れ、洗練された外観が特徴です。外装には、藤本美弘氏作の羊の彫刻が飾られています。また、屋上には「屋上樹苑」と呼ばれる緑化空間が設けられ、環境にも配慮した設計となっています。

主要テナント：多様な企業が集まる拠点

新ダイビルには、多様な業種の企業が入居しています。代表的な企業としては、アメリカン・エキスプレス、TIS、日立グループ各社、丸紅、パシフィックコンサルタンツなどが挙げられます。これらの企業の存在は、新ダイビルの高いオフィス需要を示しています。

環境認証：高い環境基準をクリア

新ダイビルは、JHEP認証制度において最高ランクであるAAAを取得しています。これは、環境負荷低減への高い取り組みと、サステナブルな建築であることを示しています。

まとめ：大阪経済の中枢を担う存在

新ダイビルは、戦後の復興から現代まで、大阪経済の発展を支えてきた歴史と、環境への配慮、そして多様な企業が集まる拠点としての機能を兼ね備えた超高層ビルです。今後も大阪の街のランドマークとして、その役割を果たしていくことでしょう。

参考文献

大阪建物株式会社 (1977). 『大阪建物株式会社50年史』
大阪建物株式会社 (1991). 『大阪建物株式会社三十年史（復刻版）』
* ダイビル株式会社 (1999). 『ダイビル七十五年史』

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