新・荒野の七人 馬上の決闘

新・荒野の七人 馬上の決闘

『新・荒野の七人 馬上の決闘』は、1969年に公開されたアメリカの西部劇で、黒澤明監督の名作『七人の侍』を基にした『荒野の七人』の続編です。シリーズの中では三作目にあたり、特にクリスというキャラクターは唯一継承されていますが、今回からはユル・ブリンナーに代わってジョージ・ケネディが演じています。この作品の後、1972年に続編『荒野の七人・真昼の決闘』が制作されました。

ストーリー概要

物語は、キンテロという農民リーダーがメキシコ軍に捕まり、厳しい刑務所である「ネズミの巣」に送られるところから始まります。反政府組織とつながりを持つ彼は、農民たちに武装を呼びかけていました。若い農夫マックスは彼の軍資金を託され、脱出後、反政府勢力の山賊ロベロに助けを求めます。そこでマックスは「農民の友」として名高いクリスを探し出し、キンテロの救出を依頼します。

クリスは仲間を集め、マックスと共に「ネズミの巣」を偵察し、そこで残酷な現実を見ることになります。彼は農民たちを助け、少人数ながらも訓練を重ねていきます。クリスは一度だけ警備が緩む日を狙い、奇襲を計画しますが、その前夜にマックスは無断でロベロに協力を求めに行き、断られることになります。彼はロベロの無責任さに失望し、クリスの元に戻ります。

映画の展開

いよいよ奇襲の日が訪れ、クリスたちはメキシコ軍の制服を奪い、偽装を利用して「ネズミの巣」に突入します。クリスらはディエゴ大佐に襲い掛かりますが、圧倒的な戦力に苦しめられます。しかし、ディエゴはクリスの罠にかかり、さらにはロベロとは決別したミゲルの助けもあり、形勢逆転が図られることになります。「ネズミの巣」は陥落し、マックスはキンテロと共に農民の自由のために戦うことを誓います。

登場人物

映画には様々なキャラクターが登場し、特にクリス・アダムスはリーダーとして中心的な役割を担います。彼の仲間には、元保安官のキノ、若くて意欲的な農民マクシミリアーノ（マックス）、老練なナイフ使いリーバイ、勇敢な黒人ガンマンキャシーなどがいます。それぞれが自身の背景や信念を持ち寄り、物語に厚みを加えています。

制作背景

本作の制作には、ウォルター・ミリシュがエグゼクティブ・プロデューサーとして関与し、確実な収益を上げるために前作に続くプロジェクトが立ち上げられました。ジョージ・ケネディの起用が決定したのは、彼がアカデミー賞を受賞した人気俳優であったためです。音楽はエルマー・バーンスタインが担当し、前作の楽曲を取り入れています。

評価

『新・荒野の七人 馬上の決闘』は当初、興行成績が良かったものの、批評家からは辛辣な意見が寄せられました。特に『ニューヨーク・タイムズ』ではその脚本について厳しい評価を受け、逆に『バラエティ』からは前作からの進化を評価される場面もありました。全体として西部劇ファンからは好意的に受け入れられた要素も多く、観る者に新たな冒険を提供しています。

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