新世紀エヴァンゲリオン (セガサターン)

新世紀エヴァンゲリオン アドベンチャーゲーム

『新世紀エヴァンゲリオン』は、同名のアニメを基にしたアドベンチャーゲームであり、1996年3月1日にセガサターン用ソフトとして初めてリリースされました。次いで、1997年には低価格版も発売され、さらに2004年にはインタラクティブDVDでのリメイク版も登場しました。このゲームは、放送中にリリースされた唯一のエヴァ関連作品であり、そのため多くのファンから注目を集めてきました。

ゲームの内容は、プレイヤーが選択を介して物語を進めるインタラクティブムービー形式で構成されており、プレイヤーはさまざまな行動を選び、エンディングを迎えることができます。特に注目すべきは、シナリオモードと戦闘モードに分かれており、それぞれの選択がシナリオに直接影響を与える点です。これにより、複数のエンディングが存在し、プレイヤーは自分の選択によって展開を変化させることができます。

システムと戦闘モード

ゲームは、アニメのシーンが展開される中での選択により進行し、戦闘は「コマンドビジュアルバトル」システムを用いています。ターン制で行われる戦闘では、エヴァと使徒の攻撃ターンが交互に回ってくるため、タイミングよく操作しなければなりません。成功すれば大ダメージを与えることができる一方、失敗すると逆に大きなダメージを受けるというシステムです。このような戦闘モードは、プレイヤーに緊張感を与え、アニメーションによるダイナミックな演出とも相まって、非常に刺激的な体験を提供します。

ストーリーの構成

ゲームの開始時、主人公の碇シンジは使徒との戦闘で記憶を失います。その後、シンジの選択によって「放浪編」「学校編」「戦闘編」という三つの異なる物語に分岐します。

• - 放浪編では、シンジが第3新東京市をさまよう様子や、彼を取り巻く人々との交流が描かれます。特に綾波レイの存在が際立っており、彼女との関係性がこの編の特徴です。

• - 戦闘編は、シンジが記憶を取り戻さないまま使徒と戦うストーリーが展開され、リアルな戦闘体験が重視されます。プレイヤーとシンジの行動が直結するため、緊迫感が増します。

• - 学校編では、仲間との日常生活やコミカルなエピソードが展開され、特にアスカやヒカリとの交流が描かれます。この編は原作と異なり、シンジが普段とは違う行動をする姿が楽しめます。

さらに、公式では新たに創出された「オリジナルの使徒」も登場し、シンジの記憶を吸収するなどの描写があります。この使徒は、特定のシーンでの戦闘能力を持ち、ゲームの進行に影響を与えてくる重要なキャラクターでもあります。

評価と影響

本作は、セガサターンマガジンでは高評価を得ており、特にファンには愛される作品となりました。アニメーションの画質やロードの速さ、そして戦闘やストーリーの多様な選択肢は、プレイヤーを引き込む要素となっています。公式ガイドブックやその後のゲーム作品が多数制作されるなど、その影響力は今も続いています。

このアドベンチャーゲームは、原作を知らない者にはやや取っ付きにくい部分もあるものの、エヴァンゲリオンのファンには堪らない魅力を持つ作品です。

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