新井敏弘

新井敏弘：日本を代表するラリードライバー

新井敏弘（あらい としひろ）は、1966年12月25日に群馬県に生まれた日本のラリードライバーである。群馬大学工学部（現在の理工学部）を卒業し、自動車競技の道を選んだ彼は、ラリーレースの世界で数々の栄光を掴むこととなる。彼の愛称は「トシ」であり、長年にわたりスバル・インプレッサWRX STiを駆り、全日本ラリー選手権（JRC）や世界ラリー選手権（WRC）をはじめとする数多くの大会で素晴らしい結果を残してきた。

初期のキャリア

新井は学生時代からラリー競技に関心を持ち、1990年にはBC地区選手権で年間総合優勝を達成。その後、1991年にはAE101型トヨタ・カローラセダンを駆り、全日本ラリー選手権に初優勝を果たした。1992年からは本格的な全日本ラリーへの参加を開始し、いすゞ・ジェミニを用いてBクラスチャンピオンのタイトルを手に入れた。

1993年以降はスバル・インプレッサに乗り換え、Cクラスに参加。1996年にはCクラスでの初勝利を果たし、1997年にはキャロッセチームに移籍して再びCクラスチャンピオンのタイトルをゲット。更にその年、彼はパリ・ダカールラリーにも挑戦し、総合32位で完走を果たした。

世界への挑戦

1997年から新井はWRCの舞台にも挑み始める。2000年にはツール・ド・ルクセンブルクで優勝を果たし、日本人として初のERC制覇を達成した。2001年にはワークス契約を結び、キプロスラリーで自己最高の4位入賞を記録した。特に、2002年からはプロダクションカー世界ラリー選手権（PCWRC）に本格参戦し、2005年には日本人として初のPCWRCチャンピオンに輝いた。この栄光は、FIA公認の世界選手権における日本人初のワールドチャンピオンとしての偉業でもあった。

国内復帰と近年の活動

2014年に日本に戻った新井は、アライモータースポーツの代表として全日本ラリー選手権に再度参加する。彼は2015年、VAB型WRX STIを駆り、JRC総合チャンピオンに輝く。更に、2018年、2019年にも優勝を果たし、この時期における日本ラリー界での存在感を強めた。

2022年にはシトロエン・C3 ラリー2という異なる車両でラリージャパンに出場したが、思わぬ事故に見舞われデイリタイアとなる。しかし、2023年にはSUBARUのWRX S4での出場を目指したが、開発中のトラブルにより、チーム・アライのプライベーター体制で出場することとなった。

パーソナルライフ

新井はプライベート面でも熱心な車好きで、多様な車両を所有している。特に、ポルシェ・911（977型・GT3）やトヨタ・MR-Sなど4WD以外の車両に対する愛着を語っている。また、長男の新井大輝もラリードライバーとして活躍しており、親子二代のラリーストとしての顔も持つ。

新井敏弘のキャリアは、情熱と努力、さらには革新性の証であり、彼は今後も日本ラリー界での存在感を維持していくことでしょう。

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