新井英一

新井英一は、1950年に福岡県福岡市で生まれた歌手です。本名は朴英一（パク・ヨンイル）といい、韓国人の父親と、朝鮮籍と日本のハーフであった母親の間に生まれました。彼は自身のルーツを「コリアンジャパニーズ」と表現しています。実家は自動車解体業を営んでいました。

15歳で家を出た新井は、山口県岩国市の米軍岩国基地で働き始めました。ここでジャズと出会い、音楽への関心を深めます。21歳の時にはアメリカに渡り、ロサンゼルスで一年間生活しました。さらに25歳の時にはニューヨークにも一年間滞在し、ブルースの深い魅力に心惹かれました。

帰国後、新井は内田裕也に見出され、29歳でアルバム『馬耳東風』でデビューを果たします。その後、1995年にはアルバム『清河への道～48番』で第37回日本レコード大賞アルバム大賞を受賞しました。このアルバムは、TBSの報道番組『筑紫哲也 NEWS23』のエンディングテーマ曲にも使用され、広く知られることとなりました。

新井の音楽活動は、単なるオリジナル作品の発表にとどまりません。1998年には、旧ソ連のシンガーソングライター、ヴラジーミル・ヴィソツキーをはじめ、セルジュ・ゲンスブール、ジャック・ブレル、ジョルジュ・ムスタキなど、彼が敬愛するアーティストの楽曲をカバーしたアルバム『オオカミ狩り』をパリで録音し、話題を呼びました。このアルバムは、彼の音楽的なルーツや多様な音楽への深い理解を示すものとして、多くのファンに支持されています。

2012年8月11日には、オリジナルアルバム「唄魂（うただま）」を発表。2018年10月24日には、自身のオリジナル楽曲「父の国」を含むカバーアルバム「オールドロマンティックラブソング」をリリースしました。これらの作品は、新井の音楽的キャリアにおける新たな展開を示すものとして注目されています。

新井英一の音楽は、ジャズ、ブルース、シャンソン、そして自身のルーツである韓国の音楽など、様々な要素が融合した独自のスタイルを特徴としています。彼の歌声は、力強く、かつ繊細で、聴く者の心に深く響きます。また、歌詞には人生の喜びや悲しみ、社会へのメッセージが込められており、聴き手はそれぞれの感情や経験と重ね合わせながら、彼の音楽を深く味わうことができるでしょう。

ディスコグラフィー

清河への道～48番 (1995.4) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.1 『果てなき航路』 (1995.10) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.2 『眠る人』 (1996.5) meldac
ブルースを唄おう (1996.8) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.3 『NEW YORKへの旅』 (1996.10) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.4 『アルカンタラの月』 (1997.6) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.5 『オールドファッション・ラヴソング』 (1997.11) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.6 『オオカミ狩り』 (1998.8) オーマガトキ
清河への道～48番　ハングルバージョン (1999.6) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.7 『エイジアン・パラム』 (1999.8) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.8 『ライブ・イン・ジャパン』 (2001.4) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.9 『ライブ・イン・パリ』 (2001.4) meldac
新井英一全集 第一巻 vol.10 『ライブ・イン・清河 2002』 (2002.10) meldac
生きる (2004.10) Mad French
LIVE IS BEST Vol.1 (2009.06) Arai Eiichi Office
LIVE IS BEST Vol.2 (2009.06) Arai Eiichi Office
LIVE IS BEST Vol.3 (2009.06) Arai Eiichi Office
唄魂（うただま）（2012.08.11発売）
オールドロマンティックラブソング　（2018.10.24発売）

関連人物

石井好子 - シャンソン歌手。新井とジョイント・コンサートなどの活動を共にすることも多い。

外部リンク

新井英一ウェブサイト
INSIGHT MUSICウェブサイト

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