朝鮮籍

朝鮮籍とは

朝鮮籍（ちょうせんせき）とは、1910年に始まる韓国併合の結果、日本政府によって日本国籍を付与された旧大韓帝国籍の朝鮮民族を指します。1947年に施行された外国人登録制度により、朝鮮半島から日本に住む朝鮮人及びその子孫が、いずれの国籍も確認できない場合に登録されるカテゴリーです。これは国籍を示すものではなく、便宜上のものであり、狭義の朝鮮人に該当します。

日本政府はこの朝鮮籍を、「韓国籍を含むいずれかの国籍が確認されていない朝鮮半島出身者及びその子孫」と定義しており、北朝鮮の国籍は存在しないとしています。これは日本が北朝鮮を国家として承認していないためです。

朝鮮籍と韓国籍の成立の背景

韓国併合後、日本は旧大韓帝国の臣民に対して日本国籍を付与しましたが、その際、朝鮮戸籍も別途設けられました。日本の統治が該当する地域から脱した後も、朝鮮人は依然として日本国籍を保持していました。

1947年の外国人登録法施行に伴い、朝鮮戸籍登載者は日本国籍のまま「朝鮮」として登録され、その後1948年に大韓民国が成立すると、在日朝鮮人の国籍も韓国籍に変更が進みました。これによって、本人の希望に基づき外国人登録上の国籍表示が変更できるようになりましたが、これは韓国政府からの国籍証明書の提示が必要でした。

1952年に発効した日本国と朝鮮半島の間の平和条約により、多くの朝鮮籍の人々は日本国籍を失い、以降も日本国内には在日の韓国・朝鮮人が残っていることが特筆されます。朝鮮籍と韓国籍は相互に混同されることがありますが、それぞれの状況は異なります。

推移と現在の状況

日本国内では、在留カードの管理が厳格化され、朝鮮籍の数が減少し、登録者の統計も変化しました。朝鮮籍は単なる便宜上の表示に過ぎませんが、韓国籍は正式な国籍を有することを示します。したがって、韓国籍への登録替えは比較的容易ですが、その逆は難しいことが多いのです。

2023年のデータによると、在留外国人の中での朝鮮籍の人数は約2万人であり、特別永住者や中長期在留者との間での違いが存在します。国籍を巡る個々の事情が影響するため、登録名義の変更に関する法律的な扱いには色々な見解があります。

婚姻と国籍の関係

朝鮮籍の者が日本人と結婚した場合、国籍の自動的な変更は行われません。朝鮮籍の配偶者が日本国籍を取得することはできますが、日本人配偶者が朝鮮籍を取得することはできません。また、朝鮮籍の親から生まれた子は日本国籍を持つものの、朝鮮籍との二重国籍になることはありません。

結論

朝鮮籍という概念は、日本に居住する朝鮮人の特殊な状況を反映しています。この制度自体が歴史的な背景に基づき、複雑に絡み合った国籍の問題を内包しています。現在も続く様々な論争や一般的な認識が、在日韓国・朝鮮人のアイデンティティを形成する重要な要素となっています。

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