新宿センタービル

新宿センタービル：新宿新都心のランドマーク

新宿センタービルは、東京都新宿区西新宿の新宿新都心地区にそびえる超高層ビルです。大成建設の創業100周年を記念するプロジェクトとして、同社の高度な技術を結集して建設され、1979年に竣工しました。新宿新都心の発展に大きく貢献した建造物の一つであり、現在も多くの企業や店舗が入居する、新宿を代表するランドマークとして親しまれています。

建築と歴史

当初は、大成建設、東京建物、朝日生命保険の3社が区分所有権を有していましたが、2008年には日本プライムリアルティ投資法人が朝日生命の所有権を取得、現在の所有体制となりました。煉瓦調の茶色い外壁が特徴的で、新宿駅西口から徒歩圏内というアクセス抜群の立地も魅力です。隣接する新宿三井ビルよりも高さは2メートル低いものの、1階部分の高さが異なるため、実際には高く見える錯覚を生みます。新宿野村ビルとは連絡通路で繋がっているため、ビル間の移動もスムーズです。

長周期地震動対策

新宿センタービルは、地震対策においても先進的な取り組みを行っています。2008年から2009年にかけて、新宿エリアに先駆けて長周期地震動対策工事を完了しました。この対策は、T-RESPO構法を用いたブレースの設置と、変位依存型オイルダンパーの導入が中心です。溶接を使わない圧着工法により、建物の使用を継続したまま施工することができました。2011年の東日本大[[震災]]では、この対策の効果が実証され、ビルの変形が大きく低減されました。初期投資額を100とした場合の投資効果ケーススタディでは、対策をせずに震災にあった場合の費用は37.0、事前に対策を行った場合の費用は6.6と試算され、その有効性が示されています。

エレベーター

オフィス用エレベーターは4バンク、32基あり、日立、東芝、三菱電機など複数のメーカーの製品が導入されています。2010年から2014年にかけて、全エレベーターのリニューアル工事が行われ、車椅子対応機の増設なども実施されました。非常用エレベーターも3基設置されており、安全面にも配慮されています。各バンクのエレベーターは、機械室のある14階、27階、40階、54階を通過します。機械室フロアは関係者以外立ち入り禁止です。

テナントと施設

新宿センタービルには、多様なテナントが入居しています。大成建設本社をはじめ、朝日生命保険新都心統括支社、TBCグループ本社など、多くの企業がオフィスを構えています。また、地下1階と中地下1階には、30以上の飲食店や物販店、金融機関などの店舗が軒を連ね、多くの来訪者でにぎわっています。かつて53階には展望レストランと展望ロビーがありましたが、現在はオフィスフロアとしてリニューアルされています。

アクセスと駐車場

新宿駅西口から徒歩7分、都営大江戸線都庁前駅から徒歩3分、東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から徒歩5分と、公共交通機関からのアクセスも良好です。また、540台収容の有料駐車場も完備しています。

受賞歴

新宿センタービルは、その優れた設計と建設、そして長年にわたる維持管理が高く評価され、数々の賞を受賞しています。主な受賞歴として、第22回BCS賞（建築業協会賞）と第20回BELCA賞ロングライフ部門などが挙げられます。

事件

新宿センタービルでは、過去にいくつかの事件が発生しています。有名なものとしては、1998年のビルクライマーによる無許可でのビル登攀事件や、2004年の大成建設本社における発砲・立てこもり事件などが挙げられます。

その他

新宿センタービルは、映画『ゴジラ』(1984年)にも登場しており、西新宿を舞台にした決戦シーンにおいて、ビルのミニチュアが使用されました。サウンドトラックのジャケットにも新宿センタービルの前に立つゴジラが描かれています。

新宿センタービルは、単なるオフィスビルを超えた、新宿新都心の歴史と発展を象徴する存在と言えるでしょう。今後も、その存在感を示し続け、多くの人々にとって重要な場所であり続けることでしょう。

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