新小岩香取神社

新小岩香取神社の由緒と歴史

香取神社は、東京都江戸川区中央に鎮座する神社で、地元では「新小岩香取神社」という通称で親しまれています。かつては「間々井神社」や「新小岩厄除香取神社」とも呼ばれていました。創建年代ははっきりとはわかっていませんが、伝承によれば元和3年（1617年）に再建されたとされています。江戸川区内には、同じく「香取神社」の名を持つ東小松川香取神社がありますが、こちらはかつて別の村の鎮守であり、当神社は西小松川村の鎮守でした。

創建当時、この一帯は湿地帯であり、船での移動が主な手段でした。その中で、道ヶ島（堂ヶ島）と呼ばれる小高い島に、香取神宮から経津主命を勧請したのが神社の始まりとされています。当時、この地にはわずか16軒の農家しかなく、この小松川の16軒の農家が香取神社を創立したと伝えられています。

神社の東を流れる小松川は、下総と武蔵を結ぶ重要な水路であり、伝説によると、長禄年間には太田道灌が国府台の控城へ向かう際に、この神社に立ち寄り、霊水を汲み、航海の安全を祈願したとされています。

現在の本殿は、文政5年（1823年）に地元の宮大工によって着工され、10年の歳月をかけて天保3年（1833年）に完成しました。厄除けの神として、この地域内外からの信仰が篤く、「新小岩の厄除香取」として、年間を通して多くの参拝者が訪れています。

小松菜発祥の地

香取神社は、小松菜発祥の地としても知られています。享保4年（1719年）に、徳川吉宗が鷹狩りの際にこの神社で休憩した際、神主が用意した餅のすまし汁に添えられた青菜を吉宗が気に入り、その名を神社の地名から「小松菜」と命名したという逸話が残っています。境内には、「小松菜産土神」や「小松菜ゆかりの里」の碑が建立されており、その歴史を今に伝えています。

小松川神社との関係

昭和11年（1936年）に創建された小松川神社は、この香取神社と深い関わりがあります。江戸川区小松川の地は、かつては武蔵国葛飾郡西小松川村の一部でしたが、大正時代に荒川放水路が開削されたことで、旧西小松川村の地域が分断されてしまいました。そのため、西岸の住民が東岸にある香取神社や西小松川天祖神社に参拝することが困難になったことから、両神社の分霊を勧請して新たに小松川神社が創建されました。

交通アクセス

香取神社へは、JR新小岩駅から徒歩約13分でアクセスできます。

参考文献

内田定夫 著『江戸川区史跡散歩 (東京史跡ガイド23)』学生社、1992年
「西小松川村 香取社」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ28葛飾郡ノ9、内務省地理局、1884年6月。
東京都神社庁「香取神社【ままい神社】」

関連項目

東小松川香取神社
コマツナ

外部リンク

新小岩厄除 香取神社

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