新尺別駅

新尺別駅

新尺別駅（しんしゃくべつえき）は、かつて北海道白糠郡（現在の釧路市）音別町字尺別に位置していた、雄別炭礦尺別鉄道線の駅でした。同線が廃止されたのと同時に、この駅も廃駅となりました。

概要

1939年（昭和14年）頃、軽便運炭軌道が運用されていた時代から、駅周辺には職員の社宅や炭鉱住宅が建てられ始め、人口が増加しました。当初はホームがありませんでしたが、列車が停車して乗降が行われるようになりました。その後、専用鉄道に切り替えられた際に正式な駅として開設され、同時に尺別炭山駅にあった鉄道事務所、交換設備、機関庫、炭水所、保線事務所などの施設が新尺別駅に移転し、鉄道運営の中心地となりました。

歴史

1920年（大正9年）1月22日：北日本鉱業尺別炭礦による軽便運炭軌道の運用が開始。
1939年（昭和14年）頃：雄別炭礦鉄道の軽便運炭軌道に新尺別停留所が開設（ホームなどの設備はなし）。
1942年（昭和17年）11月3日：尺別専用鉄道の駅として新尺別駅が開業。軽便運炭軌道は廃止。
1962年（昭和37年）1月1日：地方鉄道としての尺別鉄道の駅となる。
1970年（昭和45年）4月16日：尺別鉄道の廃止に伴い、新尺別駅も廃駅。

構造

駅は、尺別炭山に向かって左側の南東側に、25坪の駅舎を持つ土盛りの単式ホーム1面1線（1番線）と副本線（2番線）がありました。その外側には、短い板張りの駅裏側片面使用の単式ホーム1面1線（3番線）が設けられていました。さらに外側には機回し線があり、駅構内の尺別寄りには機関庫、炭水所、検車庫が配置されていました。

3番線の板張りホームは、1955年（昭和30年）頃に上下通勤列車が同時に入線するダイヤが組まれた際に、臨時的に設置されたものでした。しかし、1965年（昭和40年）のダイヤ改正とともに、その姿を消しました。

軽便運炭軌道は、現在の北海道道361号尺別尺別停車場線の位置に敷かれており、その軌道跡は道路として利用されました。

現状

尺別川の右岸を北上してきた鉄道は、上流に向かって流れを変える尺別川を1号橋で渡り、旧軽便運炭軌道の軌道跡である道路を越えて、新尺別駅構内へとカーブしながら入っていきました。現在では、その跨道橋のコンクリート基礎が道路の両側に残されています。

隣の駅

雄別炭礦
尺別鉄道線
八幡前 - 新尺別駅 - 旭町

脚注

参考文献

尺別鉄道 50年の軌跡 大谷正春著
寺田裕一 「消えた轍 ローカル私鉄廃線跡探訪 第5回 雄別鉄道・雄別炭礦鉄道尺別鉄道」『Rail Magazine』2002年2月号（No.221）pp.83-96

関連項目

日本の鉄道駅一覧
廃駅

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