新幹会

新幹会（シンガンフェ）について

新幹会とは、1927年に朝鮮で設立された抗日独立運動団体であり、1931年に活動を終えました。この団体は、当時の朝鮮における民族主義者と社会主義者の結びつきを象徴する存在でした。

背景と設立の経緯

1920年代、朝鮮の民族主義者の間には「妥協派」と「非妥協派」という二つの流派が存在していました。妥協派は朝鮮総督府の統治下で自治の実現を目指す一方、非妥協派は独立のためには総督府を否定する姿勢を取っていたのです。この非妥協派の代表的存在である安在鴻は、他の思想団体との連携を模索し、特に社会主義勢力との協力を狙っていました。

相互の連携の必要を感じた結果、1927年2月15日、鐘路キリスト教青年会館で新幹会が発足しました。この時、非妥協派の民族主義者と、同じく妥協を拒む社会主義者たちが一堂に会しました。設立時の会長には、当時朝鮮日報の社長であった李商在が就任しました。新幹会は、設立からわずか数年で成長し、最盛期には150を超える支部と4万人以上の会員を擁する大組織となりました。

活動内容

新幹会は、明確に闘争的な綱領を掲げ、独立運動の一翼を担いました。その活動の中で、元山での労働運動を支えたり、光州学生事件に際しては調査団を派遣しました。これらの行動は、新幹会が実際に独立運動の現場で重要な役割を果たしたことを示しています。

しかし、活動は順調に進んだわけではありませんでした。日本による厳しい弾圧が待ち受けており、また民族主義者と社会主義者の間には考え方の違いがあったため、連携は次第に難しくなっていきました。こうした困難に直面し、ついには1931年に活動を終了する決定が下されました。

終焉とその後の影響

新幹会は解散したものの、そのメンバーには独立運動の重要な役割を果たした安在鴻、趙炳玉、金炳魯らが含まれており、1945年の朝鮮解放後の政局にも大きな影響を及ぼしました。

新幹会の設立と活動は朝鮮の独立運動史において重要な一ページを刻んでおり、その影響は今日においても色褪せることはありません。

参考文献

• - 武田幸男 編『新版世界各国史2　朝鮮史』、山川出版社、2000年
• - 吉倫亨 著「1945年、26日間の独立」吉永憲史 訳、ハガツサ、2023年

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