新庄酒田道路

新庄酒田道路

新庄酒田道路は、山形県新庄市から酒田市に至る全長約50kmの地域高規格道路（自動車専用道路）です。国道47号のバイパスとして整備されており、山形県内陸部と庄内地方を連結する重要な役割を担っています。

建設の背景

従来の国道47号は幅員が狭く、冬季には凍結の危険性がありました。また、山形自動車道は月山道路区間の勾配が厳しく、大型車両の通行に課題がありました。これらの問題に加え、災害時の迂回路が少ないことから、物流に大きな影響が出ていました。新庄酒田道路の整備は、これらの課題を解決するために計画されました。

特に、酒田港の取扱貨物量の増加には、月山道路の勾配と国道47号の幅員不足が大きな障害となっていました。新庄酒田道路の整備により、これらの問題が解消され、酒田港の活性化にもつながると期待されています。

東日本大震災では、日本海側からの物資輸送ルートの重要性が再認識され、新庄酒田道路は太平洋側への「横軸」ルートとしてその役割を果たしました。宮城県石巻市、大崎市、山形県新庄市、酒田市の4市は、「みちのくウエストライン」構想を掲げており、新庄酒田道路はこの構想の実現に貢献しています。これらの4市は、連携を深め、早期整備を国に働きかけています。

構成する道路

新庄酒田道路は以下の区間で構成されています。

新庄南バイパス
新庄古口道路
高屋防災
高屋道路
戸沢立川道路
余目酒田道路

各区間の詳細について説明します。

新庄南バイパス

新庄市大字鳥越（亀割交差点）から新庄市大字本合海（福宮交差点）までの4.0kmの区間です。1988年度に事業化され、1999年と2002年に段階的に開通しました。

新庄古口道路

新庄市大字本合海（福宮交差点）から最上郡戸沢村大字古口（古口IC）までの10.6kmの区間です。道路規格は第1種第3級で、設計速度は80km/hです。2015年と2018年に一部区間が開通し、2024年12月7日に全線開通しました。

高屋防災

最上郡戸沢村大字古口地内の4.4kmの区間です。防災対策として別線ルートで整備され、2020年に事業化されました。

高屋道路

最上郡戸沢村大字古口地内の3.4kmの区間です。道路規格は第1種第3級で、設計速度は80km/hです。2023年に開通時期の見直しが発表されましたが、現在工事が進められています。現道区間は、大雨による通行止めが頻発する国道47号の難所であり、高屋道路の開通により、この問題が解消されると期待されています。

戸沢立川道路

最上郡戸沢村古口から東田川郡庄内町狩川までの5.8kmの区間です。道路規格は第1種第3級で、設計速度は80km/hです。2021年に事業化されました。

余目酒田道路

東田川郡庄内町廻館から酒田市東町までの12.7kmの区間です。自動車専用道路と一般道路の両方を含みます。2018年に全線開通し、最上地方と庄内地方の交流促進や、酒田市の渋滞緩和に貢献しています。

インターチェンジなど

新庄酒田道路には、複数のインターチェンジが設置されています。詳細な情報は、国土交通省のウェブサイトなどで確認できます。

路線状況

新庄酒田道路の各区間では、暫定2車線と完成4車線の区間があります。最高速度は自動車専用道路区間では80km/h、一般道路区間では60km/hに設定されています。

道路施設

新庄酒田道路には、トンネルや橋梁などの道路施設が含まれています。これらの施設は、道路の安全性と利便性を向上させるために重要な役割を果たしています。

事業主体

新庄酒田道路の事業主体は、国土交通省東北地方整備局です。各区間によって、担当事務所が異なります。

地理

新庄酒田道路は、以下の自治体を通過します。

山形県新庄市
最上郡戸沢村
東田川郡庄内町
酒田市

まとめ

新庄酒田道路は、山形県の内陸部と庄内地方を結ぶ重要な道路であり、物流の効率化、災害時の代替路確保、地域間の連携強化に貢献しています。全線開通により、交通の安全性と利便性が向上し、地域の経済発展にも寄与することが期待されます。

外部リンク

国土交通省東北地方整備局 山形河川国道事務所
国土交通省東北地方整備局 酒田河川国道事務所

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