月山道路

月山道路

月山道路は、山形県西村山郡西川町から鶴岡市大網に至る全長30.9kmの国道112号のバイパス[[道路]]です。愛称は「月山花笠ライン」で、旧道（大越・六十里越）と区別するため「月山新道」とも呼ばれます。一部報道機関では「月山道」と省略されることもあります。

概要

月山道路は、月山IC付近から鶴岡市大網中台付近までが自動車専用[[道路]]となっており、それ以外の区間は一般道路です。しかし、一般道路区間も歩道などが整備されておらず、実質的には自動車専用[[道路]]と大差ありません。また、東北横断自動車道酒田線の月山ICと湯殿山ICを結ぶ路線の一部であり、山形自動車道に並行する一般国道自動車専用[[道路]]に指定されています。ただし、高速道路ナンバリングの対象路線ではありません。

山形県を代表する景勝道路として、日本の道100選にも選ばれています。通行料金は無料であり、高規格幹線道路としては珍しく青色の案内標識が使用されています。月山ICと湯殿山ICの間には、一般道路区間が山形自動車道に割り込むように接続しています。

路線データ

延長: 30.9km（内、自動車専用[[道路]]区間は15.9km）
起点: 山形県西村山郡西川町砂子関
終点: 山形県鶴岡市大網
道路規格: 第1種第4級（自動車専用[[道路]]区間）、第3種第3級（一般道路区間）
通行不能区間: 自動車専用[[道路]]区間（歩行者、軽車両、原付、125cc以下の二輪車は通行不可）
冬季閉鎖区間: なし
指定区間: 全線

歴史

月山道路が開通する以前は、山形と鶴岡の間は「六十里越街道」という九十九折の峠道が利用されていました。昭和28年に国道112号に指定されましたが、モータリゼーションの進展に伴い、交通量が急増し、峠越えの困難さや冬季通行止めが問題となっていました。

1956年に発足した日本[[道路公団]]は、全国の有料道路事業化を調査し、「月山道路」を事業化調査道路に含めました。しかし、実際には日本[[道路公団]]による事業化はされず、昭和41年度に寒河江ダム工事事務所、山形県、酒田工事事務所がそれぞれ工事を担当することで事業化されました。

冬季の豪雪や険しい地形のため、着工から12年、総事業費464億円をかけて1981年7月に全線開通しました。工事期間中には多くの犠牲者も出ました。

年表

1966年度：工事着工
1979年：湯殿山交差点 - 鶴岡市田麦俣字清水尻間が部分開通
1981年7月17日：月山入口交差点 - 湯殿山交差点が開通し、全線開通
1991年：冬季夜間の通行止め規制が解除
1995年11月30日：月山沢IC（現：月山IC） - 田麦俣IC（現：湯殿山IC）が山形自動車道に並行する一般国道自動車専用[[道路]]に指定
1998年度：中台交差点が立体化。「月山道路リフレッシュ集中工事」を開始
1999年度：湯殿山交差点が立体化
1999年10月29日：月山IC開通により山形自動車道と接続
2000年9月30日：湯殿山IC開通により山形自動車道と接続。「月山道路リフレッシュ集中工事」完工
2010年：月山入口交差点-月山IC付近、中台立体-鶴岡市田麦俣字清水尻の最高速度が50km/hから60km/hに引き上げ

路線状況

「月山花笠ライン」の愛称は、1982年7月に一般公募で命名されました。全線には44の橋梁と9つのトンネルがあります。豪雪地帯を横断するため、開通から1990年までは冬季夜間は通行止めでしたが、現在は終日通行可能です。

月山道路は、山形県内陸部と庄内地方を結ぶだけでなく、高速道路で関東地方や仙台市方面から庄内地方へのアクセスを支える重要な路線となっています。そのため、不通になると地域生活に大きな影響を与えます。

国土交通省は、大雪時の道路交通確保のため、「タイヤチェーン装着車のみ通行可能とするチェーン規制区間」として、月山道路の一部区間を指定しています。

月山道路は、山形自動車道の計画区間の一部ですが、地盤が不安定なため、大規模な工事が必要となる可能性があります。

インターチェンジなど

月山道路には、いくつかのインターチェンジがあります。自動車専用[[道路]]区間のインターチェンジは、山形自動車道と接続しており、一般道路区間のインターチェンジは、周辺の市町村道と接続しています。

主なトンネルと橋

横手トンネル
砂子関トンネル
大暮橋
志津トンネル
葦谷地橋
大越川橋
頭光滝沢橋
月山第一トンネル
八紘沢橋
湯殿山トンネル
鍋倉沢橋
月山第二トンネル
十座沢橋
岩菅沢橋
田麦川橋

道路管理者

当初は山形県が管理していましたが、現在は国土交通省が管理しています。区間によって、山形河川国道事務所と酒田河川国道事務所がそれぞれ担当しています。

車線・最高速度

区間によって異なります。

交通量

道路交通センサスによると、交通量は比較的多くなっています。

交通障害

過去には、八紘沢橋の橋脚のひび割れや地すべりの影響で、通行止めになったことがあります。これらの通行止めは、地域経済に大きな影響を与えました。

地理

月山道路は、出羽三山の霊峰である月山・湯殿山を中心とする山岳地帯に位置しています。この地域は日本有数の豪雪地帯であり、道路沿線には、夏スキーで知られる月山や、弓張平公園、月山志津温泉などがあります。四季折々の美しい景観が楽しめます。

通過する自治体

山形県
西村山郡西川町
鶴岡市

接続高速道路

E48 山形自動車道（月山IC）
E48 山形自動車道（湯殿山IC）

参考文献

「日本の道100選」研究会 著、国土交通省道路局（監修） 編『日本の道100選〈新版〉』ぎょうせい、2002年

関連文献

辻靖三, 千葉勝美「月山道路工事報告」『道路』1981年12月号、日本道路協会、1981年

関連項目

東北地方の[[道路一覧]]
日本の高速[[道路一覧]]
大越（六十里越街道）

外部リンク

酒田河川国道事務所
* 月山道路

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