新技術開発事業団

新技術開発事業団は、1961年7月に設立された特殊法人であり、その目的は、企業が単独で行うにはリスクが高い、革新的な新技術の開発を、公的資金による研究委託を通じて支援することでした。これは、当時の新技術開発事業団法（昭和36年法律第82号）を根拠としていました。

事業団は、基礎研究の推進、新技術の開発、そして研究者間の交流促進など、幅広い活動を展開しました。これらの活動を通じて、日本の科学技術の発展に大きく貢献することを目指しました。

1989年、新技術開発事業団法の一部改正（平成元年6月28日法律52号）により、名称が「新技術事業団」に変更されました。この名称変更は、事業団の活動内容の変化や、社会的な役割の変化を反映したものでした。

その後、1996年10月1日には、日本科学技術情報センターと統合され、新たに科学技術振興事業団（JST）として再編されました。この統合により、研究開発支援だけでなく、科学技術情報の収集・提供機能もJSTに集約され、より総合的な科学技術振興機関としての役割を担うことになりました。

新技術開発事業団は、大学紛争の影響で企業や大学が産学連携に消極的になっていた時代に、数々の先進的な研究開発を支援しました。特に、アモルファス合金の開発をはじめとする新技術の開発において、重要な役割を果たしました。これらの技術は、その後の日本の産業界に大きな影響を与え、国際競争力の向上に貢献しました。

事業団の活動は、日本の科学技術史において重要な位置を占めており、その実績は高く評価されています。

参考文献

原田 久『新技術開発事業団の概要(Outline of the Research Development Corporation of Japan)』 － 日本機械学會誌 Journal of the Japan Society of Mechanical Engineers、Vol.65, No.527(19621200) pp. 1677-1684、社団法人日本機械学会 ISSN 0021-4728
『日本金属学会報 まてりあ』 第37巻 第5号,p339 (1998)

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