新揖斐川橋

新揖斐川橋

新揖斐川橋（しんいびがわばし）は、岐阜県南西部を流れる一級河川、揖斐川に架かる重要な橋梁です。この橋は、岐阜県安八郡安八町と大垣市を結ぶ区間に位置し、主要な幹線道路である国道21号、通称「岐大バイパス」の一部を構成しています。交通量の多いこの区間において、地域の経済活動や人々の移動を支える大動脈としての役割を担っています。

橋の規模としては、全長が約520メートル、全幅が約28.6メートルを測ります。現在の供用形態では、車道は片側2車線、合計4車線で運用されていますが、設計上は将来的な交通需要の増加を見越し、片側3車線、合計6車線への拡幅が可能な構造となっています。これは、岐阜地域における道路交通の将来的な発展を見据えた設計と言えるでしょう。

この橋は、上流側（主に岐阜市方面へ向かう上り線）と下流側（主に大垣市・関ヶ原方面へ向かう下り線）の二期に分けて建設されました。上流側の橋は1972年（昭和47年）に完成し、供用を開始しました。その後、交通量の増加に対応するため、下流側の橋が増設され、こちらは1986年（昭和61年）に完成・供用が開始されています。このように段階的に整備されたことで、今日の交通状況に対応可能な規模となりました。

橋の正式な区間は、安八町西結から大垣市和合新町にかけてとされています。しかし、構造上、特に上流側の橋の一部、具体的には北側に位置する1車線と歩道部分は、起点側が安八町ではなく瑞穂市横屋まで延びているという詳細な区分が存在します。このため、橋全体としては安八町、大垣市、そして一部が瑞穂市にまたがる形となっています。

歴史的な背景としては、新揖斐川橋の下流側、約500メートルの地点に、かつて中山道の脇往還である美濃路における「佐渡りの渡し」（さどりのわたし）が存在していました。かつての主要交通路であった渡し場の近くに、現代の幹線道路の橋が架けられたという点で、交通の歴史の変遷を感じさせる場所でもあります。

現代におけるこの橋のもう一つの特筆すべき点として、岐阜県内でも有数の交通検問実施場所として知られていることが挙げられます。主要な国道であること、交通量が多いこと、地理的な要衝であることなどから、交通違反の取り締まりが頻繁に行われています。このため、地域住民やこの道路を利用するドライバーの間では、「検問が多い場所」として認識されています。

このように、新揖斐川橋は単なる構造物としてだけでなく、交通の要衝、歴史の一端、そして現代社会における交通安全の取り組みの一面を示す場所として、様々な側面を持っています。

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