新日吉神宮

新日吉神宮の概要

新日吉神宮（いまひえじんぐう）は、京都市東山区に位置する神社であり、旧社格は府社です。現在は神社本庁に所属しない単立の神社となっていますが、その歴史は長く、多くの信仰が寄せられています。かつては新日吉社と呼ばれ、明治以降に現在の名称に改められました。

歴史

新日吉神宮の歴史は、永暦元年（1160年）に後白河上皇によって始まります。この年、院の御所である法住寺殿の鎮守社として、日吉大社から山王七社（上七社）が勧請され、新日吉社として創建されました。この際、別当寺として妙法院が比叡山から祇園社の西側に移転され、新熊野神社や蓮華王院も同時に建立されています。

室町時代以降、応仁の乱などの戦乱によって新日吉社はほとんど荒廃しましたが、寛永17年（1640年）には現在地の北東に位置する、かつての豊国社と豊国廟の参道上に再建されました。この再建については、「江戸幕府が旧豊国社への参拝を妨げるために行った」という説もありますが、実際には後水尾上皇とその実弟である妙法院の堯然法親王が関与していたとされています。

豊国社が廃絶された後、その御神体は妙法院で秘かに祀られていましたが、江戸時代中期からは新日吉社で信仰を集めていたことが記録されています。さらに、天明5年（1785年）には樹下社が創設され、ここには樹下神（十禅師、鴨玉依姫神）が勧請されました。この経緯から、新日吉社の再建は豊国神社の復活と見なされることもあります。

1897年（明治30年）には、豊臣家ゆかりの旧大名家によって豊国廟が再興され、社地も移転されました。そして1958年（昭和33年）、後白河天皇を増祀し、翌1959年（昭和34年）に神社名が新日吉神宮に改められました。なお、本殿の隣に位置する狛猿は金網で覆われており、猿の夜間の移動を防ぐためと言われています。

祭神と境内

新日吉神宮には、多くの神々が祀られています。主祭神としては、大山咋命、大己貴命、玉依比売命、田心比売命、菊理比売命、後白河天皇などがおり、相殿には素盞嗚尊や大年神がいます。

境内には、本殿をはじめ、廻廊や拝所があります。また、飛梅天満宮や豊国神社、秋葉神社、愛宕神社、舞殿、社務所、土蔵、楼門など、多様な施設が存在します。特に飛梅天満宮は、永暦元年に創建され、祭神は菅原道真と飛梅之霊です。さらに、境内の御神木であるスダジイは京都市指定保存樹として保護され、樹齢は500年から800年に及ぶとされています。

まとめ

新日吉神宮は、京都の豊かな歴史と文化を体現した神社であり、観光名所としても多くの人々に訪れられます。その神社の背後には、歴史的な出来事や豊臣秀吉との深い関わりが存在し、今もなお多くの信仰が寄せられています。

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