新木曽川橋

新木曽川橋（しんきそがわばし）

新木曽川橋は、愛知県一宮市北方町と岐阜県羽島郡笠松町の間を流れる木曽川に架けられた、国道22号（名岐バイパス）を構成する重要な橋梁です。形式は桁橋に分類されます。

概要

本橋は、かつて旧国道22号のルートにあった木曽川橋（現在の岐阜県道・愛知県道14号岐阜稲沢線の一部）に代わる橋として計画・建設されました。愛知県と岐阜県を結ぶ主要な幹線道路である国道22号（名岐バイパス）の一部として、非常に交通量が多く、両県間の物流・人流を支える大動脈としての役割を果たしています。現在の制限速度は時速60キロメートルに設定されています。

岐阜県側の笠松町では、橋は二重堤防の上を通過し、短い円城寺橋（長さ約51メートル）を経て地上路へと接続する構造となっています。

諸元と構造

新木曽川橋の主な諸元は以下の通りです。

構造形式: 3径間連続鋼鋼床版箱桁橋
橋長: 588.9メートル
幅員: 30.0メートル
車線数: 車道6車線（片側3車線） + 両側に歩道
橋台: 鋼管杭基礎半重力式
橋脚: ニューマチックケーソン
所在地: 愛知県一宮市北方町北方から岐阜県羽島郡笠松町円城寺に至る

供用開始は上下線で異なり、下り線が1969年（昭和44年）に、上り線が1975年（昭和50年）に行われました。計画段階では、将来の交通量増加を見越して、高速車線6車線と緩速車線2車線を合わせた計8車線での設計も検討されていました。

地理的条件と建設上の配慮

新木曽川橋の建設地点は、名古屋市と岐阜市を結ぶ最短ルートかつ橋長が最短となる条件を考慮して選ばれたとされています。しかし、この地点は木曽川の上流側で支流である三派川が合流する複雑な地形であり、さらに約260メートル下流にはJR東海道本線の木曽川橋梁が既に架設されていました。

こうした状況から、橋の建設にあたっては様々な配慮がなされました。特に、橋の配置はJR鉄道橋と平行になるように調整され、さらに橋脚の間隔（スパン割）も鉄道橋に合わせることで、河川景観や河川管理上の整合性が図られました。下部工の建設には、圧気工法であるニューマチックケーソン工法が採用され、当時の最新技術であった無人潜函掘削機も使用されました（第一期工事では試験的に導入されたとのことです）。

歴史との関連

新木曽川橋が架かる周辺は、古くから交通の要衝として知られていました。特に、橋のすぐ近くには、江戸時代初期の関ヶ原の戦いに先立ち、徳川家康が木曽川を渡ったと伝えられる「北方の渡し」があったとされています。これは、この地が古くから重要な渡河地点であったことを物語っています。

参考文献

岐阜国道二十年のあゆみ（昭和54年・建設省中部地方建設局岐阜国道工事事務所 発行）

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