新来島どっく

株式会社新来島どっくについて

株式会社新来島どっく（SHIN KURUSHIMA DOCKYARD CO., LTD.）は、愛媛県今治市大西町に本社を置く、有名な造船企業です。この会社は日本国内において、重要な造船会社の一つとして、その位置づけを確立しています。愛媛県今治市の大西工場をはじめ、愛知県や大阪府、岡山県、広島県、高知県、徳島県にも造船所を持ち、多くの地域で活動を展開しています。2019年には74万総トンの新造船を生産する実績があり、国内造船業者の中で7位の地位を誇ります。特に自動車運搬船やケミカルタンカーといった高付加価値の船舶を主力としている点が特徴です。

会社の歴史と背景

新来島どっくの起源は、1902年に設立された波止浜船渠株式会社に遡ります。当初は木造帆船の建造を行っていましたが、1924年からは鋼船の建造及び修理にシフトしました。その後、昭和の戦時中には呉海軍工廠の下請け工場として様々な軍需品の製造も手掛けましたが、1940年に住友グループに傘下に入りました。戦後は住友から独立し、新たに「来島船渠株式会社」を設立しましたが、一時運営を閉鎖する事態となりました。しかし、1953年に坪内寿夫が社長に就任し、業務を再開、経営を立て直したのです。

経営再建後は、「海上トラック」「船の月賦販売」という独自の販売戦略で業績を上げ、様々な関連企業を傘下に持つ一大企業グループを形成しました。しかし、1980年代の経済環境の変化によりグループは経営危機に直面し、最終的には1987年に株式会社新来島どっくが設立されることになりました。ここから新たな臨界を迎えることとなり、徐々に再建の道を歩み始めます。

事業と拠点

同社の主要な事業拠点には、大西工場を中心に、東京事務所、大阪事務所、九州事務所といった支店があります。これにより、全国的に事業を展開しやすい体制を整えています。特に自動車や輸送に関わる船舶の建造には注力しており、近年では環境に配慮したLNG燃料を使用した船の建造も行っています。

重要な製造実績

新来島どっくが建造した著名な船舶には、1973年竣工のフェリー「さんふらわあ」シリーズや、近年では世界初のLNG燃料自動車専用船「SAKURA LEADER」などがあります。特にSAKURA LEADERは、シップ・オブ・ザ・イヤー2020を受賞し、同社の技術力が高く評価されるきっかけとなりました。このように、歴史ある新来島どっくは、常に新しい技術や船舶を投入し、業界の要素として存在感を示し続けています。

事業グループと展望

新来島どっくは、様々な関連企業と連携して造船事業のみならず、観光業、運輸業、情報技術サービスなども手掛けており、多岐にわたって事業を展開しています。グループ会社には、愛媛造船サービスや新来島エンジニアリングなど、多数の企業が存在しており、相互に協力しながら事業の幅を広げています。

最後に

新来島どっくは、伝統的な造船業を背景に、持続可能な未来を見据えた事業展開を目指しています。高付加価値船舶の開発に力を入れつつも、次世代の技術への取り組みを進めることで、新たな可能性を模索し続けている企業です。

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