新東陽

新東陽（しんとうよう、ピン音: Xīn Dōng Yáng）は、台湾の首都・台北に本社を置く、食品の製造と販売を手がける企業です。特に、同社のパイナップルケーキは、台湾土産の定番として広く知られています。観光ガイドなどでは土産物店の一つとして紹介されることが多いですが、そのルーツは食肉加工業にあります。

1967年、麥幸夫（Mài Xìngfū）氏によって「東陽燒臘行」として創業されました。創業当初は、チャーシュー（燒臘）やでんぶ（肉鬆）といった食肉加工品の実演販売を行っていました。創業者である麥幸夫氏は、後に会長に就任しましたが、1985年10月27日に44歳という若さでこの世を去りました。

その後、新東陽は徐々に製品ラインナップを拡充し、事業規模を拡大していきました。そして、台湾各地の特産品を扱う新しい業態への転換を目指し、1972年に「新東陽」へと社名を変更しました。当時の社名は「麥氏新東陽食品股份有限公司」でした。1991年には、瑞陽食品工業股份有限公司との合併を経て、現在の体制となっています。

現在、新東陽は台湾国内に30以上の直営店を構え、空港などのテナントを含めると70店舗以上を展開しています。取り扱う商品は、パイナップルケーキをはじめとする菓子類、ドライフルーツやジャーキーなどの肉製品、調味料、茶葉、酒類など多岐にわたり、雑貨も一部取り扱っています。創業当初の食肉加工の技術を活かしつつ、台湾の食文化を代表する企業として、国内外で広く認知されています。

新東陽は、単なる食品メーカーという枠を超え、台湾の食文化を世界に発信する役割を担っています。その歴史と伝統に裏打ちされた品質へのこだわりが、多くの人々に愛され続ける理由と言えるでしょう。

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