新極道の妻たち 覚悟しいや

新・極道の妻たち 覚悟しいや

1993年に公開された『新・極道の妻たち 覚悟しいや』は、日本の映画界における極道ドラマの金字塔ともいえる作品です。主演には実力派女優の岩下志麻が名を連ね、監督は山下耕作が務めました。この映画は、「極妻（ごくつま）」シリーズの第6作目で、岩下版としては4作目の作品となります。

あらすじ

物語は1989年から始まり、愛知県岡浜市のヤクザ組織である中部坤龍会・千之崎組が立退き運動に直面したことから展開します。五代目組長の野木万之助（梅宮辰夫）とその妻・安積（岩下志麻）は、地元住民との対立に頭を悩ませていました。その状況下、大阪の淡野組からの要請により、万之助の弟、また千之崎組の跡継ぎとされる高明（草刈正雄）が中心的役割を果たすことになります。しかしながら、万之助の頑なな態度は周囲との摩擦を生み、事態は予想外の展開へと向かいます。

物語は愛憎が渦巻く中、安積は刑務所に入ることになります。出所後は香港での生活を送り、花杜昌治（北大路欣也）という男性と出会うことで新たな恋愛が描かれます。しかし、花杜は衝撃的な秘密を抱えており、万之助の死に関わる深い関係が隠されていたのです。安積と花杜の関係は果たしてどのような結末を迎えるのか、物語は緊迫感のある展開を見せます。

主なキャストとキャラクター

• - 野木安積 (岩下志麻)

ヤクザの妻として生きてきた安積は、逮捕後に自らの人生を見つめ直します。彼女が直面する苦悩や選択は、物語の中心的なテーマの一つです。

• - 野木千尋 (かたせ梨乃)

高明の妻であり、万之助の元愛人でもある千尋は、複雑な人間関係に翻弄されながらも自立を目指します。

• - 野木万之助 (梅宮辰夫)

頑固な性格ながら組の規律を重んじる万之助は、組内外のトラブルに悩まされる一方で、強い信念を持つ人物です。

• - 花杜昌治 (北大路欣也)

香港在住の邦人で、実は裏の顔を持つ殺し屋という変化球的なキャラクターです。彼と安積の関係が物語を大きく動かします。

エピソード

本作は封切り初日の1993年1月30日に大阪梅田東映で、主演の岩下志麻らが参加するイベントが開催されました。この際には一般公募による「あんたら覚悟しいやコンテスト」が行われ、参加者の迫力ある演技が観客を沸かせました。

まとめ

『新・極道の妻たち 覚悟しいや』は、登場人物たちの複雑な人間関係や感情が織りなすドラマを描いています。ヤクザの世界とそのヒロインたちの葛藤を鮮烈に描いた本作は、観る者に深いつながりや感情の重みを感じさせる作品となっています。特に岩下志麻の演技は高く評価され、第6回日刊スポーツ映画大賞で主演女優賞を受賞するなど、映画界に大きな影響を与えました。

もう一度検索