新潟県立上越総合技術高等学校

新潟県上越市本城町に位置する県立高等学校で、「上総（じょうそう）」の通称で親しまれています。本校は、2003年に地域のものづくりを支える人材育成を目指し、歴史ある旧新潟県立高田工業高等学校と旧新潟県立直江津工業高等学校が統合して誕生しました。工学系の専門教育に特化し、未来を担う技術者やスペシャリストの育成を目指しています。

教育の理念と目標

本校は、時代の変化に対応できる確かな技術力と豊かな人間性を兼ね備えた人材育成を教育の柱としています。「真理を探究し人間を形成する」「技術を高め創意工夫する」ことを校訓に掲げ、日々の教育活動を展開しています。具体的には、「教養を高め豊かな人間性を培い、工業技術の基礎基本を身につけた有為な社会人を育てる」ことを教育目標としています。この目標達成のため、倫理観の向上、自主・自立性の涵養、創造力および実行力の育成、そして生徒たちの生活ならびに学習環境の向上に努力しています。

設置学科

本校の専門教育は、工業科として生徒を募集し、1年次には工業全般に関する基礎科目や共通科目を集中的に学びます。2年次からは、より専門的な知識・技術の習得を目指し、以下の4つの学科、計8つのコースに分かれて学習を進めます。

機械創造工学科: 機械工学の基礎から応用までを学び、創造的なものづくりを目指します。「機械エネルギーコース」と「メカトロニクスコース」があり、動力機械やロボット技術などを深く探究します。
電気情報科: 電気分野と情報分野の融合技術に焦点を当てます。「電気エネルギーコース」では電力システムや電気設備の技術を、「情報技術コース」ではコンピュータ科学や通信技術を中心に学びます。
建築環境科: 建築に関する知識と技術を習得し、快適で安全な生活空間の創造を目指します。「建築システムコース」では構造や施工、設計について、「建築インテリアコース」ではデザインや住環境について専門的に学びます。
土木防災科: 社会基盤の整備と防災技術に貢献できる人材を育成します。「都市工学コース」では道路や橋梁などのインフラ建設を、「防災工学コース」では災害に強いまちづくりや防災技術について学びを深めます。

各学科・コースでは、座学だけでなく実習や実験を重視し、実践的な技術力と課題解決能力を養います。

沿革

本校の歴史は、前身校である新潟県立高田工業高等学校と新潟県立直江津工業高等学校の歩みに深く根差しています。旧高田工業高校は、1916年に新潟県高田市立商工学校として開校したのが始まりで、その後県立移管や改称、校舎の移転などを経て、長年にわたり地域の工業教育を担ってきました。一方、旧直江津工業高校は1964年に開校し、新たな工業教育の拠点として発展しました。そして2003年 4月1日、これら二校が統合し、新たな歴史として新潟県立上越総合技術高等学校が誕生しました。開校当初は機械工学科、メカトロニクス科、電子情報科、電気工学科、建築システム科、環境土木科、環境デザイン科の7学科体制でしたが、2008年には建築システム科と環境デザイン科を再編し建築・デザイン科を新設。さらに2018年には工業科として一括募集する現在の4学科体制に改編され、時代や産業構造の変化に対応した教育を提供し続けています。

学校生活

生徒たちの学校生活は、学習活動に加え、多彩な部活動や同好会活動によって豊かなものとなっています。運動部では、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、陸上競技、剣道、柔道など、様々な種目で多くの生徒が汗を流しています。文化部も活発で、美術、吹奏楽、写真、文芸に加え、土木設計、デザイン、電気設計、建築設計、機械設計といった専門学科に関連する技術系の部活動も盛んに行われています。さらに、フットサルや軽音楽、家庭科、書道、茶の湯、英語などの同好会もあり、生徒たちは各自の興味に応じて多様な活動に参加し、友情を育み、技術や感性を磨いています。

校歌は、国見修二氏が作詞、後藤丹氏が作曲を手がけており、生徒たちの愛唱歌となっています。

アクセスと周辺環境

本校は、えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン高田駅から徒歩約20分という立地にあります（なお、バイク通学は届出制で、一部の生徒に認められています）。特筆すべきはその周辺環境です。校舎は、歴史ある高田城の二の丸跡という由緒ある場所に位置しており、城跡には他にも上越教育大学附属中学校や上越市立城東中学校といった教育機関が集まっています。歴史と文教の雰囲気漂う恵まれた環境で、生徒たちは学習に励んでいます。

本校からは、笠原敦郎氏（元プロ野球選手、旧直江津工業出身）、平間淳司氏（金沢工業大学教授、旧高田工業出身）、新井雄大氏（バレーボール選手）など、様々な分野で活躍する卒業生を輩出しています。地域社会はもとより、日本の産業界の発展に貢献する人材を送り出しています。

関連情報として、新潟県高等学校一覧、日本の工業高等学校一覧などにその名が挙げられます。詳細や最新情報については、学校の公式サイトで確認することができます。

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