上越教育大学附属中学校

上越教育大学附属中学校の概要

上越教育大学附属中学校は、新潟県上越市本城町に所在する、国立大学法人上越教育大学が設置する中学校です。その敷地は、かつて高田城の本丸があった場所であり、戦前・戦中期には旧陸軍第13師団の兵舎が置かれていた歴史を持ちます。周囲を堀に囲まれ、日本三大夜桜として名高い高田城址公園の中に位置しており、校内には数多くの桜の木が見られます。現在の校舎は2003年に改築されたもので、現代の基準を満たす耐震構造となっています。

教育活動における大きな特色として、毎年10月に開催される教育研究協議会があります。この協議会には全国各地から数百名に及ぶ教育関係者が集まり、同校が長年培ってきた独自の教育システムやその実践成果が公開されます。近年はオンラインでの開催もありましたが、2023年度からは再び来校形式での実施となりました。

また、教育におけるテクノロジーの活用にも力を入れており、2016年度からiPadを用いた授業を本格的に開始しました。その取り組みが評価され、2019年には国立の中学校として国内初となる「Apple Distinguished School (ADS)」に認定されるなど、先進的なICT教育を推進しています。

生徒の構成と進路

同校の生徒は、その大部分が上越教育大学附属小学校からの内部進学者で占められており、約7割の生徒が小学校からの継続的な学び舎としてこの中学校に進みます。一方で、約3割の生徒は外部からの入学となります。

附属高等学校は設置されていないため、卒業後の進路は外部の高校となります。卒業生の約半数は市内の県立高田高等学校へ進学し、その他にも県立高田北城高等学校や関根学園高等学校などにそれぞれ約1割の生徒が進学するなど、多様な進路を選択しています。

沿革

本校の歴史は、1947年4月1日に学制改革によって設立された新潟第二師範学校附属中学校に遡ります。その後、大学の組織改編に伴い、1949年5月31日には新潟大学第二師範学校附属中学校に、1951年4月1日には新潟大学教育学部附属高田中学校と名称を変えました。体育館（1952年）、特別教室（1967年）などの施設が整備され、創立20周年（1967年）、30周年（1977年）の記念式典が執り行われました。1980年12月7日には教育学部の統合に伴う閉校記念式典が実施されます。

翌1981年4月1日、上越教育大学の新設に伴い同大学に移管され、「上越教育大学学校教育学部附属中学校」として新たなスタートを切りました。上越教育大学への移管後も、創立10周年（1991年）、20周年（2001年）の記念式典が開催されました。2004年4月には国立大学法人化に伴い、現在の「上越教育大学附属中学校」に改称されました。同年度には文部科学省の研究開発学校にも指定され、2006年4月には新潟県金融広報委員会の金融教育研究校、エネルギー教育実践学校としての指定も受けました。そして2019年12月には、前述のADS認定に至ります。

教育方針と任務

同校は、「民主社会の発展に寄与する、人間性豊かな、たくましい生徒を育成する」ことを教育目標の柱として掲げています。具体的には、美しいものや崇高なものに感動する心、真理を追求する姿勢、広い心と向上心を持って他者と共に実践する力、そして自ら目標を設定し、気力・体力の充実に努める生徒の育成を目指しています。生徒のスローガンとしては、「確かな学力」「響く歌声」「溢れる探究心」の三つを掲げ、日々の学校生活における努力目標としています。

本校は、義務教育課程の中学校として、教育基本法などの関連法規に基づき、生徒の心身の発達に応じた中等普通教育を行う役割を担っています。同時に、上越教育大学の附属機関として、将来教員を目指す学生に対する教育実習の場を提供する重要な任務も果たしています。さらに、大学や附属小学校と連携しながら、教育理論と実践に関する研究を進め、中学校独自の視点での研究成果を地域の教育現場に提供することで、教育全体の発展に寄与しています。

学校生活：行事と部活動

年間を通して様々な学校行事が実施されます。4月には入学式や新任式で始まり、5月には「桜城体育大会」が開催されます。夏と秋には合唱コンクールが行われ、10月には教育研究協議会、12月には生徒総会や生徒会役員選挙が行われます。冬季には1・2年生を対象としたスキー合宿、3月には2年生が沖縄で平和学習を兼ねた修学旅行を実施。年度末は卒業式や離任式で締めくくられます。

部活動も盛んで、運動部では野球、陸上競技、男女ソフトテニス、バレーボール、バスケットボール、サッカーがあります。文化部としては美術部、科学部、吹奏楽部が活動しています。科学部は創造アイデアロボットコンテスト全国大会の関東甲信越地区大会に3年連続で出場した実績を持ち、吹奏楽部は2022年に全日本吹奏楽コンクール西関東大会で銀賞を受賞しています。常設部活動ではありませんが、特設合唱部や特設駅伝部も設置されており、合唱部は全日本合唱コンクール関東支部大会やNHK全国学校音楽コンクール新潟県大会で複数の受賞歴があります。駅伝部も男女アベックでの県大会出場を果たしています。その他にも、水泳、空手、卓球、剣道、柔道などに個人的に参加する生徒もいます。

入試とアクセス

1学年は3クラス編成で、男女合計105名程度の定員となっています。毎年12月に入学試験が実施されており、2019年度入試では定員105名に対して150名の志願者があり、競争倍率は約1.4倍でした。

交通アクセスは、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの高田駅から徒歩約15分です。

著名な出身者

本校からは、政治、学術、実業界、芸能、スポーツなど、様々な分野で活躍する人材が輩出されています。

新潟大学教育学部附属高田中学校出身

高鳥 修一（衆議院議員）
風間 直樹（参議院議員）
三浦 展（マーケティング・アナリスト、評論家）
萩尾 みどり（女優、声優）
寒竹 伸一（建築家、都市計画家）
辻野 晃一郎（技術者、実業家）

上越教育大学附属中学校出身

小西 翔（プロ野球選手）
古野 慧（スキークロス選手）
坂詰 姫野（テニス選手）
秋山 皓太（プロバスケットボール選手）

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