新田原駅

新田原駅：行橋市の玄関口とフルーツ街道の起点

福岡県行橋市道場寺に位置するJR九州日豊本線の新田原駅は、北九州都市圏の通勤通学路線として、そして周辺地域の住民の生活路線として重要な役割を担っています。特にラッシュ時には小倉方面への利用客が多く、当駅発着の列車も運行されているため、利便性の高い駅と言えるでしょう。

歴史を刻む新田原駅

新田原駅の歴史は古く、1897年（明治30年）9月25日に豊州鉄道の駅として開業しました。その後、九州鉄道を経て国有化され、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によりJR九州へと引き継がれています。長い歴史の中で、貨物取扱廃止（1961年）、駅舎改築（1980年）、荷物扱い廃止（1984年）といった変化を経験し、みどりの窓口開設（1989年）、自動改札機の設置（2000年）、そしてICカードSUGOCAの導入（2009年）など、時代の流れと共に進化を遂げてきました。近年では、2022年3月にみどりの窓口が営業を終了し、無人駅となっています。

駅の構造と設備

新田原駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線の地上駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しており、バリアフリーの観点からも配慮がなされています。駅舎は鉄筋コンクリート造で、無人駅ながら自動改札機が設置され、SUGOCAなどのICカードが利用可能です。かつてはJR九州鉄道営業による業務委託駅で、みどりの窓口も設置されていましたが、現在は無人化されています。また、かつてはプリペイドカード「ワイワイカード」も利用可能でした。2番乗り場からは、日中1本程度の小倉方面への折返し列車があり、朝夕はさらに本数が増えます。

利用状況と周辺環境

2022年度の1日平均乗車人員は約675人です。駅周辺は住宅地が広がり、北九州都市圏へのアクセスが良いことから、多くの住民が利用しています。また、隣接するみやこ町豊津地区の最寄り駅でもあるため、この地域の住民にとっても重要な交通拠点となっています。

駅周辺には、太陽交通のバス路線が運行しており、国道10号沿いのバス停から周辺地域へのアクセスも良好です。特筆すべきは、新田原地区が県内有数のフルーツ産地であることで、国道10号沿いやその近辺には、イチジク、ブドウ、モモなどのフルーツを販売する露店が多数立ち並び、活気のある風景が広がっています。

なお、同じ「新田原」という地名は、宮崎県新富町にある航空自衛隊新田原基地にも使われていますが、全く別の場所です。新田原駅は、その地名と、豊かな自然とフルーツに恵まれた行橋市の地域を象徴する駅と言えるでしょう。

さらに、新田原駅にはJR九州の駅では数少ないポイント電気融雪器が設置されています。福岡県内では、篠栗線の城戸南蔵院前駅とともに、この新田原駅にのみ設置されている珍しい設備です。また、駅名のローマ字表記は、一時「SHINDENBARU」と誤表記されていましたが、現在は「SHINDEMBARU」に修正されています。

新田原駅の未来

新田原駅は、歴史と現代が融合する、行橋市の重要な交通拠点です。無人化されましたが、自動改札機やICカード対応など、利便性の向上に向けた取り組みも継続されています。今後も、地域住民の生活を支える重要な役割を担い続けることでしょう。

もう一度検索